6月26日

 九段理江『School girl』を読んだ。
 
 令和版『女生徒』として書かれた作品と知り、読んでみた。百年近くの時を隔ててどんな風に響き合うのか…と。
 母親と話す時しか日本語を使わない(それ以外は英語で過ごしているらしい)14歳の少女と、『女生徒』の主人公を"遠い昔の親友”と呼ぶ母親の、お互いを大切に思っているのにすれ違ってしまうもどかしさ…など、こんなに背景が違っても母娘のあり方には変わらない葛藤があって、その普遍性に苦しくなった。

 そして「悪い音楽」がとても面白かった。人の気持ちがわからない(本人なりに考えようとはしているがずれている)音楽教師、という設定が秀逸で、擬態が破綻する過程も見事。

 
 
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