11月29日(日)のつぶやき (ピザ専門店「L‐Black」)

06:45 from web
おはようございます~。
07:57 from web
ヒートテック、まだあるかなー。てか、こんな地方でも手に入るのかなー。もしかして私って、遠巻きにして観察している時間が長過ぎる? モノによっては即とびつくのだけれどね(一般的ではない向きで)。
08:02 from web
あちらこちらの木々たちが、すでに雪吊りされているのをよく見かけるの。冬ごもりの準備をせねば…。し、脂肪はいらないぞ。

 ☆    ☆    ☆    ☆
 
 早めに出かけて、お互いのお買い物を済ませた。私のお目当てヒートテックは、カラフルな3色を無事に購入。マゼンタにターコイズに…ベーシックな色はあまり残っていなかったけれど、インナーだから私は平気なのだ。
 そしてお昼ごはんは、散々悩んだ末に近場の「L‐Black」でいただいた。
 お邪魔したのは3度目。石窯で焼いたピザにありつけるこの辺りではとても貴重なお店で、気に入っているのはもちろんチーズ好きな私の方である。
 まずはラタトゥイユをいただきながらビールをして、その後パスタとピッツァを一皿ずつ。

 スモークサーモンにアボカドよ…!この素敵な組み合わせだけで、私はご満悦なのであったことよ。 むほほ。(追記)
13:48 from web
旦那さんと雑談をしながらの呑み食い…が、ようやくひと段落。ラタトゥイユとピッツァとパスタを白ワインで流し込み、メンチカツサンドを自宅でつまんだ…(ちょっとずつよ、ちょっとずつ)。
13:56 from web
どうしても、ピッツァ(これも昔は“ピザ”でしたが、店に従うとして)をナイフとフォークで食する人を見かけると意地悪な気分になる。このスノッブめ…とかね。
14:02 from web
そうそう、その件のお店での会計に重大な間違いがあったので引き返した。旦那さんの方が正義の人、私は半分悪人だった(気が付かないところで既に)。
14:32 from web
先週放送の「JIN―仁―」の中で(今、隣で旦那さんが再放送を見ている)、澤村田之助の役者絵がちらりと出ていた。どんな風に関わってくるのだろう…? すっごく気になる~。
15:07 from web
“たわたわ”って、一瞬“たわわ”の誤植かと思った。いいなぁ、“たわたわ”。どこかで使いたいな、“たわたわ”。
22:04 from web
澤村田之助…!!  ど、どうなるんだろう田之助。
23:21 from web
じわり……じわり…じわじわじわ…じわわわわっ!と、どんどん楽しさが増してくる。いや、ピーマンには笑ってしまった。思わずピーマンに同情した。でもきっと、昔は今よりも食べ難かったのだろうな。さて、も少し読み進めてから寝るとする。
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11月28日(土)のつぶやき

06:13 from web
おはようございます~。今日も地元へ行くの。
07:25 from web
ちょっとお風呂…(いそいそそ)。
09:43 from web
こちらは曇天。太平洋側に行くと晴れてるのかな。本が読みたい…のだが、助手席では難しい。
 
 お昼ごはんは、「ごまめ屋」の「まろやかとんこつ」。愛知県を中心にチェーン展開をしているラーメン店なのだけれど、そこそこ美味しい(追記)。
 ←小ぶりサイズがあったのでそれにした。
16:41 from web
帰宅なう。なんだか凝ってる。
16:45 from web (Re: @naoko_1999
@naoko_1999 戻りましたー。うん、愛知県も晴れてましたわ。本読みは諦めてぼーっとしてました。次の機会に挑戦しますっ。
17:00 from web
今夜、内飯にするか外飯にするか迷い中。外飯に傾きつつあり(やり投げ、ぶんぶん)。
17:07 from web
こうして何もかも、楽な方へ楽な方へと……。流されていくのね。どんぶらこっこ…。
17:32 from web
近所の居酒屋に流れていく。その名も「粋粋」。す~いす~い…(軽~く自己嫌悪)。
21:50 from web (Re: @naoko_1999
@naoko_1999 @tariko_ @hanakochiba うっふっふっふっふ…。そう言われてみれば私も、最初はすんなり読めなかったのでしたわ。お店の名前は、本当に“すいすい”なのでっす(笑)。
21:52 from web
むむ、また間違えてジタバタした…。しかし、駄洒落は和むな。時々叱られるけれど。
22:32 from web
『明暗』が課題本、だぁ…。“続”共々に発掘せねば。てか、中井さんが進まん…(だって分厚いんだぼん。ふ)。

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11月27日(金)のつぶやき

06:26 from web
おはようございます~。
09:13 from web
生姜パワーでぽかぽか持続中。生姜も常備だな。
09:36 from web
はっ。そう言えば私、ファンタジーはよくこけるんだった。どうなんだろうどうなんだろう。ジェフリー・フォードを共訳されてる方ですね。じゃあとりあえずそっちの心配はしないよ…(偉そう)。>「ラウィーニア」
09:44 from web
で、今日はファンタジーを読む。中井さんはちょっと休憩(…してる場合か?)。レメディオス・バロ関連でたどり着いて、絵本かと思って購入したという。
13:24 from web
「ニコルの塔」で、ほっこり気分~♪ お茶を淹れましょう。小さなタルトをつけて。
13:28 from web
レメディオス・バロが素敵なのはもう言うまでもないが、こみねゆらさんの絵も好きよ。表紙絵の、淡くくすんだ蒼い色合いもいい。
13:50 from web (Re: @shiki_soleil
@shiki_soleil うふ。想像していたよりももっと、絵の世界の内側に入り込んだお話だったのでとても満足です~。お好きなのは存じてましたけれど(笑)、こちらの物語が先だったのですね。
13:55 from web (Re: @shiki_soleil
@shiki_soleil 「仏蘭西おもちゃ箱」なんて可愛いの!と思ってみたら、結構な値が…。うぬぬ。私は「白いねこ」しか持っていないので、お手頃なところで何か欲しいなぁ。「空とぶじゅうたん」、よさそうですね。
14:29 from web (Re: @shiki_soleil
@shiki_soleil 私も、サクッと図書館にリクエストしちゃいました。待たされそうです(吐息)。「空とぶじゅうたん」、チラッと紹介を読んでいたら、どんどん欲しくなってきてしまいました(笑)。
15:14 from web
今夜は白菜でシチューかな。無水で豆乳で出来そうかな。市販のルウってあまり好きじゃあないのだけれど、旦那さんが作るときに買ったのがまだ残ってるのよね。薄ーく入れるとするか。あ、でも、呑みになるかもって言ってた…。
15:15 from web (Re: @tariko_
@tariko_ 昔、仙台土産に買ったことがあります。どれだけ昔かと言えば、学生だったわ!

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11月26日(木)のつぶやき

06:42 from web
おはようございます~。
09:06 from web (Re: @tariko_
@tariko_ おおお、追悼企画展の内容とかぶっているのかと思っていました。買ってよかった~♪(毎号買っていますが・笑)。次女さやかさんのエピソード、感激ものでした。私生活の片鱗を伺っても謎めいているなんて、素敵過ぎます。
09:18 from web
朝ごはんは梅若春雨(←号に見える…)。長ネギを一本、くたくたに煮て摂食。ネギラブ。風邪予防にもなるし。あと、緑の部分の方が栄養価が高いんだそうですよ。今日も買い足しておこう(常備)。
11:04 from web
かつての務め先に、自他共に認める天敵の如き同い年の女性がいた。感心してしまうくらい嫌がらせにも勤しむ人だったので(苦手なものから遠ざかろうとする私とは正反対)、私の日々のメリハリには欠かせない人物であった。彼女の奇異(に映る)な言動を仲間たちと論う際の楽しさと言ったら…。
11:06 from web
そんな懐かしい彼女と旅先で再会して、いつの間にやら意気投合して和気あいあいと過ごす…という夢を目覚め際に見た。楽しかったよう。いろんなベクトルが真逆だったので、違う出会い方をしていたら案外仲良くなっていたのかしら…? ちょっぴり損した気分。いやー、でもやっぱりそれはないか。
16:15 from web
『耶路庭国異聞』、読んだー。表題作と「黒金」が、あああ…。もうしばらく、飛んでいった魂を彷徨わせておく。
18:06 from web
今夜は、野菜たんもり麻婆豆腐(生姜もたんもり)。キャベツと舞茸の塩昆布バター炒め…と言いつつ、うちはマーガリン使用。下拵えは済ませた。でも実は、あまりお腹が空いていない。
18:16 from web
今日の昼間、アイリッシュトラッドであるという“Johnny I Hardly Knew Teh”を聴いていたら痛いほど胸がざわざわしたので、ついつい歌詞の内容を調べてしまって戦慄した。バックで銃声が鳴り響いている理由が、恐ろしいほどわかった。まだ思い出すと怖い。そんな日。
21:38 from web
もはや花椒塩は、麻婆豆腐に欠かせない。
21:45 from web (Re: @shiki_soleil
@shiki_soleil ル=グウィンは少ししか読んでいないのですが、「ラウィーニア」は非常に惹かれます~。すこぶる好きかも…(期待満々)。

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11月25日(水)のつぶやき

06:46 from web
おはようございます~。
08:47 from web
パンやさんパンやさん、行く行く~。天然酵母だよん♪ ←噛みごたえ重視
10:11 from web (Re: @tariko_
@tariko_ その顔ぶれですと、私はもう中だけが心配でございます…。お、おつむとか色々…むぐ。
10:39 from web
メロンパンのラスクって、ちょっとうきうきする。特にメロンパンが好きなわけではなくって、カリカリが好きなのである

13:35 from web
1.5m(天地)×3.7m(左右)、え、ええっと…。それって小さい?
13:41 from web
たぶん「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」を観たときのスクリーンも、1.5m(天地)×3.7m(左右)くらいだった。大阪の、ぼろ格好良い劇場だった。
14:01 from web
旦那さんが風邪っぽかったのでドリスタンが出してあるのだけれど、この感冒薬、どうして“ドリスタン”って名前なんだろう…? 視界に入るたびに条件反射みたく、「トリスタン…イゾルデ…」と思っちゃうので鬱陶しいわい。
17:36 from web
海老芋煮てるなう~。今日は、そぼろあんかけ。あとは若狭カレイとかとか。

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11月24日(火)のつぶやき

06:25 from web
おはようございます~。
11:19 from web
原田知世ちゃんの「eyja」聴いてるなう。声も音も素晴らしいですー。やわらかくってアンニュイで、時々微かに前向きで火曜日っぽい。窓から見上げる空がいつの間にか白一色で、それがひどく似合うアイスランドの音。
18:16 from web
旦那さんが呑み会へ出かけるのを見送ったなう。風邪気味っぽかったけれど、大丈夫なのかしらん?
18:18 from web
だから今日は料理しないー。椎茸とカチョカヴァロチーズをグリルしたのとかで、適当に済ます。“カチョカヴァロ”って響きが、可愛くて好き。どこか“コチョコチョ”に通じるものがある…(え、ないっすか?)。
19:38 from web (Re: @tariko_
@tariko_笑いが止まらぬおそれあり、です。おススメのチーズですが要注意。ひくひくひく。

20:02 from web
今日は本読みをあまりしなかった。でも、今からお風呂に作品集成を持ち込むぞっ。あ、よっこらせ。…ばこんばこん(何の音だ)。ぼこぼこぼこ…(ひいい)。
20:15 from web (Re: @naoko_1999
@naoko_1999 んふふふふ。「どんどん濡れるじゃあねえか、早く返して下せえっ!」 …まあ、一瞬でも落としたらかなりの惨状ですよね。今のうちに、少しばかり読み進めておこうと思いまして。
20:16 from web (Re: @tariko_
@tariko_ コッ、コチョコチョコチョ~!!(猛ダッシュ)
22:01 from web
わ~い、座布団だ~♪ …ふむ、作品集成(ぶじ)と言えばやっぱりこれか…。夕方、中井さんが届いてしまったので、ゆるりゆるりと移行する予定。しかし、全集が課題本って凄いなー。流石だ。私は「骨牌」が既読なのでちょっとは楽な方だけれど。

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11月23日(月)のつぶやき(読んだ本、『月桃夜』)

06:38 from web
おはようございます~。
15:58 from web
福井より帰宅。駅前で若狭カレイ(有名らしい)の干物を買ったらば、早々に旦那さんがせっつくので焼いてるなう。
16:28 from web
若狭カレイ、美味なり。夫婦でむさぼる。
16:31 from web
お昼ごはんはカレーだった。喫茶店なのに本格的なインドカレーがいただけるという、あやしい素敵なお店にて。
 福井駅から少し歩いたところの、「HALF」という喫茶店。このポスターの横の階段から二階へ上がる。

 インドカレーの単品。手前が小盛り、奥が大盛り。付け合わせは玉ねぎと、なぜかパイナップルだったよ(追記)。

22:37 from web
何の脈絡もなく(実はあるのかも知れないがわからない)、『TVピープル』の中の「眠り」が読み返したくなり再読。これ、主人公の身に起こったことのある一面が羨ましくなってしまう瞬間があって、そこがミソなんだよな…。怖い怖い。さあ、そろそろ寝よう。
22:49 from web
たとえばこのまま一睡もせず朝まで本に読み耽ってしまったとして、それで次の日に何の支障もないなんて(もちろん眠くもならない!)、それって凄い…みたいな。>「眠り」

16:38 from API
【月桃夜】を読んだ本に追加
16:49 from API
【月桃夜】
 フィエクサとサネンが好きでした。涼やかなサネンの花の匂いが全篇にみちみちているので、物語が陰惨な方へ墜ちきってしまわない。そんな描き方が好ましい。哀しい陰影をまといつつも美しい情景を、何度も思い浮かべながら楽しんだ。あと、鷲がいいわー。悟り切り老成した物の怪のようで、冷めやらぬ思いを抱え込んだ永遠の少年のようで。

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11月22日(日)のつぶやき

07:48 from web
おはようございますー。
08:04 from web (Re: @naoko_1999
@naoko_1999 おおーっ(鼻息)。順番迷ってたんですけれど、『月桃夜』読みますっ。
08:11 from web (Re: @shiki_soleil
@shiki_soleil 映画、劇場で観ます(笑)? こちら、上映される映画数があまりにも乏しい中で、のだめは流石にやってくれるようなので観ちゃおうかなーと思っているところです。 
08:16 from web
今日は、近場の天然温泉施設に行く予定(二度目)。だらだらしたいな。本は持ち込まないけれど(うーん、無理!)、長湯するぞ。温泉で長湯する秘訣は、露天風呂にすること。肩から上が涼しいと、なかなかのぼせないからね(え、誰も訊いてない?)。
08:18 from web
土地柄、も少ししたら雪見風呂も出来そうな気がするのじゃが、どうなのかしら? 気化熱効果でえんえん出られなくなりそうだわね。
13:24 from web
帰宅なう。遠くのお風呂は最高♪だけれど、近くのお風呂も悪くなかった。だいたい1時間かけて浸かってきた。今日はもう、部屋でまったりしたい…。
20:55 from web
上野洋子さんを聴きつつ物語も読みつつ…。アイリッシュ&スコティッシュ・トラッド×奄美大島…。嫋々たる風のような声。いや、合うんです。合うんだぼん。
23:21 from web
福山龍馬、髪の毛くるくるなんだ…。

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津原康水さん、『バレエ・メカニック』

 眼を瞠るように身を乗り出すように、どきどきと読んで堪能した作品。  
 ありえない景色が突如あらわれ、こちらの心構えもあらばこそ、見る見るうちに溢れ流れ出したのだった。 そしてそれが、不可解な力の影響下におかれ、じわじわと破壊されていく東京の姿だったのだ。 

 “サイバーパンク”っていったい何のこと?と言うくらい、その手の用語に疎い私ではあるけれど、物語の方は存分に楽しんだ。
『バレエ・メカニック』、津原康水を読みました。


 押し寄せる幻・幻…の氾濫に、その目まぐるしさに、振り落とされまいと必死でしがみつく瞬間の快感と言ったらなかった。 どんな高さにも眸を閉じるまいとして、まるで駆けるようにして物語を追いかけていく。 …それもまた快感であり。

 大脳皮質の大半が壊死しているにも関わらず、脳幹ばかりが異常に活動し続けている少女・理沙。 都心を中心として起こる異常現象から奇跡的なネットワークが形成され、それらはかつての理沙を取り巻いていた事柄と奇妙に符合が一致するのであったが――。 果たして本当に、“都市は人間の脳を代替しうるのか?”。

 物語は大きく、三つの章に分かれている。 そして章が変わればその中心人物たちも時制も、少しずつずれていくことになる。
 まず第一章での主人公・木根原は、“きみ”という二人称で突然物語の中心に現れる(正直なところ私は、“きみ”にはいささか面食らった…)。 深い昏睡に沈み込んだままの少女の、その父親である。 娘の主治医である脳外科医・龍神と木根原は、木根原自身が造形した巨大蜘蛛に差し招かれるまま、どこまでも異様に変容していく東京へと足を踏み入れていく。
 第二章へと話が進むと、理沙の主治医であった龍神が、〈彼女〉という呼び名で物語の中心となる。 造形作家である木根原と〈彼女〉の理沙探しに、〈彼女〉自身の個人的な過去が絡み合いもつれ、そこからまた意外な展開を見せつつ第三章「午前の幽霊」へと雪崩れ込んでいくのであったが…。 
 で、その第三章。 たったの1ページめくっただけでいきなりの展開!一体全体どんな高みにまで跳び上がらせられたものかと、しばし茫然としてしまった次第である。 …いやはや、面白かった。
 設定のあれやこれやにはとことん目を眩まされたけれど、読み終えてしばらく物語を反芻していると、作品の底流をなす喪失感が後をひいていることに気が付くので、あった(興奮気味にざわざわしていた読後感が、静かなそれへと静まっていくように)。 
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イスマイル・カダレ、『死者の軍隊の将軍』

 とりわけ読み始めてしばらくは、手元の頁を繰っても繰っても、沈鬱かつ変化の乏しい色合い(ほぼ茶色か…)の情景が、ただただどこまでも続くばかりなのである。 土と泥と雨と、土と泥と雨と、霧に包まれた地平線と、報われることの少ない単純作業の暗さと言ったらもう…。
 それなのに、にも関わらず。 いつのまにやらとても強い吸引力を受けて、圧倒されていた作品である。 設定もテーマも途轍もなく重い…と思うのだが、それでいて読み手側に負荷をかけて来ない不思議な渇き具合をそなえた作風には、大変惹かれた。   

 いつも楽しみにしている「東欧の想像力」シリーズの5冊目。
『死者の軍隊の将軍』、イスマイル・カダレを読みました。    

 物語の舞台となっているのは、イタリア(らしい、明記はされていない)の戦没兵が数多く葬られているアルバニアの山野である。 第二次世界大戦から20年を経て、かの地で斃れた兵士たちの遺体を回収しその遺族の元へと届けんが為、遺骨の発掘作業という特殊な任務に就いた将軍、そして司祭が、かの地で見たものとは――。 
 ひたすら任務を遂行する将軍の視点を中心に据えた主筋に対し、ときおり唐突に差し挟まれるのが、戦没者がつけていた日記からの抜粋であったり、誰とも知れない死者の記憶によって語られるエピソードの断片や、アルバニア側の遺族の恨みの声による独白…であったりする。 そしてそのことによって更にじわりじわりと、作品全体の深みと凄味とがいや増してくるのだ。 …いささか、ぞくりとするほど。   

 じめじめと天候不順な風土の異郷にて、来る日も来る日も続く発掘作業、掘り返されていく地面の湿った土くれ、泥土、そしてまた土、土、土…。 そんなもどかしい日々の成果と言えばただ一つ、土中での静かな眠りから引っ張り出された、無言のままに青いナイロン製の袋に収められていく、遺骨、そしてまた遺骨なのだ。 偉大な文明国を代表するつもりで、神聖な任務に心酔していた将軍の志と誇りとが、遂には足元からくずおれていったからと言って、誰に責められよう? そもそもの始まりにあったものが、所詮は欺瞞にしか過ぎなかったのだとしても…。  
 タイトルの意味合いが徐々にわかってくるにつれ、将軍にとってのこの戦い――目に見えない死者が己の背後に連なっていくような――の過酷さと孤独が際立ってくる。  

 一読したところでは、「東欧の想像力」シリーズの作品の中では最も幻想性が少ないようにも思えたのだが、ちょっと離れて話全体を眺めてみようとすると、まるで悪夢のように輪郭自体がぐんにゃりと歪んでいるかのようにも感じられてくる。 少しずつ少しずつ物語だけが浮き上がって、史実からは乖離しながら普遍的な広がりを見せてくれる展開が見事だった。
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