オルガ・トカルチュク、『逃亡派』

 『逃亡派』の感想を少しばかり。

 “この地球が喉につかえている。じっさい、咳ばらいして、ぺっと吐きだすこともできるはずだ。” 54頁

 楽しみにしていたオルガ・トカルチュク。やはり…というかまあ、不思議な小説でとても好みだった。始めはとりとめのなさに惑わされ、読みながら気持ちが漂い出しそうになる。でも、茫洋として掴みどころがないように見えて、116もの断章をゆるゆると繋ぎ合わせていく“旅”と“移動”の主題は、いつしかこちら側をしっかと掴んでいた。

 隣り合う断章同士の不連続性(それこそ移動に酔う)、一つ一つばらばらに進んでいくプロットの奇妙な味わい。こんな形の旅もあるのか、これもまた一種の移動なのか…と、意表を突かれて幾度も思いを巡らしてみた。
 例えば人体解剖学の進歩から、標本をよりよく保存する為の技術の話への流れがあり、両者の間を行き来しながら時代が下っていく。そして物体として切り刻まれていく人体と、複製されて朽ちない身体のことについて。他にも巡礼のこと、逃亡派のことも興味深かった。空間や時間では測ることの叶わない探求の旅について、全体を眺めつつ突き詰めていく思惟。…などなど、自在な広がり方は茸的なのかも知れない。
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2月25日(火)のつぶやき

@rinakko 08:15
おはよございまず。朝ごはんは牡蠣蕎麦でしたん。

@rinakko 18:57
ひそかに募る、このわくわく。
買ってきたばかりの本を前に、このひとときが堪りません。
これでビール3本いくわ。


@rinakko 19:03
【もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/アガサ クリスティー】を読んだ本に追加
もの言えぬ証人 (クリスティー文庫)
クリエーター情報なし
早川書房
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2月24日(月)のつぶやき

@rinakko 14:05
【ひらいたトランプ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/アガサ クリスティー】を読んだ本に追加
ひらいたトランプ (クリスティー文庫)
クリエーター情報なし
早川書房


@rinakko 20:21
@naoko_1999 『虚無への供物』の講談社文庫版は持っていないので比較できませんが、全集版の本多正一さんの解題は、かなりの頁数で充実してますよ。日記の抜粋とか。底本は初版単行本、他の刊本も参照。“著者の赤字書き入れ等はこれを生かした”とあります。

@rinakko 20:28
@naoko_1999 全集、市中在庫ならまだ数冊は手に入るかと思います~。私は最近、ネットで少し買い足しました(全巻は諦めつつ…)。
@rinakko 21:50
@naoko_1999 おお、私が最近買い足したのが6と9ですから、その辺はまだ大丈夫そうですね。希望通り揃いますように^^
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2月23日(日)のつぶやき

@rinakko 12:44
【対岸 (フィクションのエル・ドラード)/フリオ コルタサル】を読んだ本に追加
@rinakko 12:46
【対岸 (フィクションのエル・ドラード)/フリオ コルタサル】読み終えて、どれも好きだったなぁ…と思う中でも、とりわけ「天文学序説」はすこぶるツボで面白楽しかった。
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2月22日(土)のつぶやき(売布の「夢吉」)

@rinakko 19:30
お気に入りの夢吉にて。金目鯛の煮付け。

 黒豚の角煮とか。




@rinakko 20:35
いつものように蕎麦ずしで〆。

 ご馳走さまでした♪
 

@rinakko 21:20
レオン見てまう。
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2月21日(金)のつぶやき(読んだ本、『従兄ポンス』)

@rinakko 01:55
よかったねぇ…。

@rinakko 04:02
ふう、堪能した。ねぶいけれどまだ起きてる。

 
@rinakko 21:14
【従兄ポンス〈上〉 (岩波文庫)/H. バルザック】を読んだ本に追加

@rinakko 21:15
【従兄ポンス〈下〉 (岩波文庫)/H. バルザック】を読んだ本に追加

 “掘出し物をかかえこんでいるときには、人はどれほどの愛をそれにこめることだろう。好事家よ、諸君はすでにご存じだ。” 20頁(上巻)

 貧しい老音楽家のポンスは、骨董美術品の愛好家にして、実は人知れぬ優れた目利きだった…。まず、蒐集家に特有な性がどんな風に描かれているのかなぁ…とか、そんなところに関心もあって手にとった作品。
 己が見出した美(必ずや、掘り出し物のそれでなければならない)への執着ぶりも、その矜持も、蒐集の為に僅かな収入を注ぎ込む生活ぶりも、その結果として傑作のコレクションを持つことになったという話も、親戚筋を渡り歩いてご馳走にありつく習慣も(おい)、話の導入の部分で触れられていてとても面白かった。のだが…。

 死臭を嗅ぎつけた…というよりか、本来ならまだ助かりそうな病床のポンスを食い物にせんとて、わらわらと寄り集まってくる醜き輩どもの、その企みの恐ろしいことと言ったらもう…。話としてはそこからの“ガリガリ亡者”たちの腹の探り合い、だまくらかし合いは、読みどころじゃがね。
 せめて、たったひとりのポンスの友人で穢れない天使のような(てか、清らか過ぎ)シュムケだけでも、彼らの毒牙から逃れられますように…と、はらはら頁を繰るのであった。(そして身分や地位が上がるほどに、驕慢の罪はのっぺりと塗り隠される。ぞわっ…。)
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2月19日(水)のつぶやき(読んだ本、『パンタレオン大尉と女たち』)

@rinakko 14:24
【パンタレオン大尉と女たち (新潮・現代世界の文学)/M.バルガス リョサ】を読んだ本に追加
パンタレオン大尉と女たち (新潮・現代世界の文学)
クリエーター情報なし
新潮社
 いやはや面白楽しかった!ファルス! こういうリョサも大好きだ。ふふふ…。
 大尉へと昇進して張り切る陸軍士官パンタ、彼が言い渡されたあらたな任務は、国境守備隊の為の“婦人巡察奉仕機関”を組織し、極秘で運営することだった(なんと)。と、話は始まるわけだが、温和で生真面目な主人公は、すこぶる有能に仕事をこなして軍の期待以上の成果を上げる。上げて、しまった…。やたらと鯱張った報告書の内容がいちいち可笑しくて、何回吹き出したことか。あと、“人情味に溢れる”ラジオ番組とか、勢いを増す新興宗教集団の存在とか、脇の配置まで心憎いことよ。
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2月18日(火)のつぶやき(読んだ本、『西の窓の天使』)

@rinakko 10:06
【世界幻想文学大系〈第38巻 A〉西の窓の天使 (1985年)/グスタフ・マイリンク】を読んだ本に追加
@rinakko 10:07
【世界幻想文学大系〈第38巻 B〉西の窓の天使 (1985年)/グスタフ・マイリンク】を読んだ本に追加

 錬金術師ジョン・ディーの波瀾に富んだ人生と、その日記を読み進んでいくことで過去に取り込まれていく末裔の数奇な行く末を描く、オカルトあり転生あり…の驚異の物語。女王エリザベスのお気に入りにして偉大な碩学だったディーは、グリーンランド征服の野望にとり憑かれていた。やがて、“正真正銘のグリーンランド”を求めることを天命と思い定めた彼は、英国宮廷を離れヨーロッパへと旅立つ…。
 下巻に入ると、ルドルフ2世や「高位のラビ」レーヴも登場するしで歴史小説としても面白い。生まれ変わりから二重の生…?という、揺らぎに酔う感覚も効いてくる。どうしても、馴染み薄い神秘思想には戸惑うけれど(試練の先の“高次の結婚”とはなんぞ…)、それでもぐんぐんひき込まれた。
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2月16日(日)のつぶやき

@rinakko 10:46
kindleで値下がりしているクリスティ文庫を物色中。未読がたくさんあって悩ましい。

@rinakko 10:48
@muchipuri そ、その黄色いタグは憧れの。おお。

@rinakko 11:49
さて、わたしたちのスタジオのモバードの時計が、すでに午後六時半ちょうどを示しているのが見えますので、パンティーランドの主人が、その陰気で長い冒険の旅において、自分自身の家族に悲しみと苦しみを、いかにためらうことなくもたらしたか、
#216page2014

@rinakko 11:50
同時に、この土地が彼を受け入れて親切にしてやったばかりに、いかに同じ憂き目にあってきたかを明らかにする、この感動的なラジオドキュメントをもって、わたしたちの番組を終了させなければなりません。
#216page2014

@rinakko 21:02
「道の……露払いをするのは……ひとりの女性です。ただひとりの女性のみが勝利を収めます……われわれの女主人イサイスに。……女主人に……愛でられた……そんな人たちのなかにあっても」
期待はずれの返事で、がっかりした。
#216page2014
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2月15日(土)のつぶやき

@rinakko 03:50
おお。

@rinakko 04:10
凄い。おめでとうございます。

@rinakko 14:31
真冬の昼ビール餃子、ホルモン煮込み追加。

@rinakko 21:01
ひさしぶし、耳猫風信社でお買い物した。卵石入れのOeufrier(ウフリエ)が好きな感じ。
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