本が好き!な、りなっこのダイアリーです。週末は旦那と食べ歩き。そちらの報告も。
本読みの日々つらつら
1月30日(月)のつぶやき(読んだ本、『遠い声 遠い部屋』 再読)
(@rinakko) 2017年1月30日 - 15:50
【遠い声遠い部屋 (新潮文庫)/カポーティ】
“そして彼らも、みんな一人残らず、邸とともに沈みかかっているのだ。部屋の中を歩きながら、ジョエルは陽の光を奪われた廊下にもぐらたちが銀色のトンネルを掘りめぐらし、ひょろひょろした石竹が土に埋まった部屋から伸び出し、髑髏の目玉からライラックが血を吐くさまを想像してみた。”
10代の頃に読んで以来の再読。憶えていたのは“沈みゆく邸”。
グロテスクな現実を目の当たりにし、もう夢を想い描いた時間へは戻れない。少年の味わう幻滅は、13歳だからこそあまりにも深く(誰にも顧みられぬ死のように)、その先に待ち受ける残酷な覚醒がいたましい。
1月29日(日)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月29日 - 09:39
昨日からうちの本。ようこそようこそ。
(@rinakko) 2017年1月29日 - 11:07
「あなたたち、平和なのね」と言うレイチェルも、心が安らぐと共に、不思議な歓びに取りつかれた。人生には今まで想像もしなかった無限の可能性が秘められているように思われた。
ヴァージニア・ウルフ 『船出(上)』 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 11:09
あるいは、イタリアのどこかから飛行機でクレタ島にやってきた男の、旅と記憶と妄想が絡み合う物語についての物語もまた、物語を書くことが時間をつたえることと同義であり、逃れられない逆説を抱えこむという理を教えてくれるだろう。和田忠彦『タブッキをめぐる九つの断章 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 12:09
その顔は未だ誰にも真の美質を発掘されていない未開の土地の地形の如くであり、繊細な芸術性と完璧に卓越したビジョンをもって私はそこに手を加えることができた。
ジェフリー・フォード 『白い果実』 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 13:25
えにしえにし誕生日にはうつくしい鳥の羽挿頭(かざ)すえにし
姫たちは男で光源氏こそ女であるという物語
大滝和子 『人類のヴァイオリン』 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 14:00
とても長いもののうちに幼年期を入れよう。
柘植の木立。
文法の先生のところに行き、一時間前に帰ってきているはずのアウルスを待っているとき。
老い。
海亀。
死んだ人の死。
不眠。
烏。
パスカル・キニャール 『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 14:40
『あなたにも本が作れます』(Do Yourself a Book)の興亡史が書かれれば、そこに学ぶべきことはさぞ多いだろう。
スタニスワフ・レム 『完全な真空』 #2017page129
(@rinakko) 2017年1月29日 - 17:10
ところが、人魚が一六三四年に描いた絵には、ほとんど半透明な黄金の魚体にフェルメールの青をおもわせる奇妙な目をもち、鯉に似た口をもつこの魚がすでにあらわれておったのです。人魚の絵はこの発見を正確に予測していたんですわ。
キアラン・カーソン 『琥珀捕り』 #2017page129
1月28日(土)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月28日 - 21:34
【アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/アガサ クリスティー】を読んだ本に追加
アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) クリエーター情報なし 早川書房
1月27日(金)のつぶやき(読んだ本、『ドラゴン・ヴォランの部屋』)
(@rinakko) 2017年1月27日 - 08:56
ふふふふ不調、ふふふふふ‥‥。
(@rinakko) 2017年1月27日 - 11:45
【ドラゴン・ヴォランの部屋 (レ・ファニュ傑作選) (創元推理文庫)/J・S・レ・ファニュ】
隅々まで堪能したわ…。うおん。「ティローン州のある名家の物語」が再読だった(途中で気付いたw)のは嬉しい驚き。何が待ち構えているのか(悪魔か幽霊か)…と頁を繰る先に、渓谷の断崖絶壁に建つ古城や、アイルランドの深い森や美しい湖の眺めが広がっていた。
ゴシック小説の流れを思わせる初期の短篇に、妖精譚めく話、ジャコバイトに端を発しつつ可憐な娘の変貌に戦慄する不思議な話。そして表題作では冒険と驚異が…。明らかに犯罪に巻き込まれているのに気付かない主人公は、美貌の夫人に恋焦がれ深入りしていく。読んでいる方も黒幕はわからぬまま、あわや…という展開にぐっと引き込まれた。
ベルサイユ宮殿での仮面舞踏会という華やかで妖しい見せ場、『ジェイン・エア』モチーフ、生き埋めの夢…など、好きなものがぎゅっと詰まってる感のある中篇で、はらはらとすこぶる楽しかった。
1月25日(水)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月25日 - 09:57
【代価はバラ一輪 (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)/エリス ピーターズ】を読んだ本に追加
(@rinakko) 2017年1月25日 - 11:20
今日からうちの本。ようこそようこそ。天使は再読用。お届き分。
あと『約束』と『魔術師の帝国』を迎えに行きたひ。
(@rinakko) 2017年1月25日 - 11:53
@erierif ありがとうございます~。あ、これはノートではなく布製のブックカバーなんです。ノートを並べて写すのもいいですね。やってみようかな~ (*^m^*)
(@rinakko) 2017年1月25日 - 12:11
@erierif ふふふ、カバーなのです。でも一応読書ノートもありまして、気に入った文章を書き写したりして使ってます。簡単な相関図とか、ちょこちょこっと何か書きたくなった時にあると便利ではありますよ。
1月24日(火)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月24日 - 09:05
【ゆきしろ、ばらべに―少年傑作集―/鳩山郁子】を読んだ本に追加
(@rinakko) 2017年1月24日 - 09:06
【門前通りのカラス (現代教養文庫―ミステリ・ボックス)/エリス ピーターズ】を読んだ本に追加
1月21日(土)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月21日 - 13:51
【コーネルの箱/チャールズ シミック】
再読。
1月20日(金)のつぶやき
(@rinakko) 2017年1月20日 - 10:12
【約束のない絆 (パスカル・キニャール・コレクション)/パスカル キニャール】を読んだ本に追加
1月19日(木)のつぶやき(読んだ本、『雪男たちの国』 再読)
(@rinakko) 2017年1月19日 - 10:29
【雪男たちの国/ノーマン・ロック】
再読。雪…といえば思い出す作品。崩壊した精神の幻視の中に降り積もる雪、ではあるが。スコットの南極探検に参加した…かのように語る人物の、幻覚溢るる奇想豊かな日記。この旅の目的地が、“到達点という概念として在るのみ”つまり“極点は無”であるというのなら、そもここに描かれた南極自体がどこにもない南極だ…と思いつつ、美しく奇怪な妄想の檻に囚われる。
凍った影、燃え上がるオーロラ、訪う女たち、異界からのワルツ…。極限状態の中、絶望の針は振り切れてしまう。ただ狂気の牢獄…ピラネージの牢獄は、じきに出来上がるだろう(と、ベルデンが言っている)。
1月18日(水)のつぶやき(読んだ本、『ウォーターランド』 再読)
(@rinakko) 2017年1月18日 - 10:16
【ウォーターランド (新潮クレスト・ブックス)/グレアム・スウィフト】
再読。素晴らしい読み応え。〈無〉のような、おとぎ話のような、水とよく似て平坦なフェンズの風景に憑かれる。めぐる歴史、人の営みに凝り続ける悲哀と遣りきれなさと滑稽と、取り残された愛おしさの物語が紡がれる。同時に色々な感情を喚起されて、泣き笑いみたいな心地で読み耽った。其処彼処の符牒を繋げながら…。
ビールと水とに侵される故郷の歴史(“水の中からビールを”)、粘液質的沈着…というクリック一族の気質、幼馴染との恋、美しすぎた母のおとぎ話、フランス革命、そしてウナギをめぐる謎について。
とりわけ今回はメアリのことを思う。彼女の尋常ならぬ好奇心の強さ(あと、意志と行動力も)に時折引きつつ、その結果招いてしまった事態に立ち竦むところが辛かった。その後の決断も、あまりに重かったであろう罪の意識についても。
その先の人生がフェンズのように平坦だったとしても、その間彼女が何を思い何を抱え続けていたのか…ということを、トムに語ることは出来ないから。語られない部分こそが重い。
« 前ページ |