ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

闇の中の守り人

2016-06-07 22:41:58 | 本を読みました

「闇の守り人」新潮文庫 上橋菜穂子

あらすじ
チャグムの護衛を無事に終えたバルサは、
ジグロの供養のため自らの故郷のカンバル王国に向かう。
バルサが幼い頃、王の主治医であったバルサの父親は
王弟ログサムにおどされて王を毒殺させられた。
口封じに自分共々バルサが殺されるのを恐れた彼は、
親友で100年に1人の天才と言われる短槍使いジグロに
バルサをつれて逃げるように頼んだ。
それ以後バルサはログサムが死ぬまでジグロと共に逃げ、
短槍を習い、生き抜いてきた。
その後ジグロが死に、用心棒となったバルサは、
チャグムの護衛を終えて自らの過去を清算しようと思い立ったのだった。
しかしカンバルに帰ってみると、
ジグロは王即位の儀式に使う国宝の金の輪を
盗んだ謀反人の汚名を着せられていた。
黒い闇に包まれたカンバルをバルサが救う。





以下、ネタバレと感想です。


「精霊の守り人」よりこっちの方が面白い。

止まりません。



今回も設定がすごい。

裏切者のジクロに放たれた元仲間の刺客。

それはジグロを殺すために
放たれたのではなく、他に理由があった。

ジグロも刺客もその理由を知らずに戦うのです。


作者はどうやって設定を考えるんでしょうか?

いろいろな糸が意外なところにつながっていて、
ホント、思い付きで書ける小説ではありません。



今回は、同じ世界に住みつつも、
違う種族、違う文化をもった生物が出てきます。

ファンタジー。。。理解できないんですけれど。。

と思いつつ、読んでいると
この違う種族・牧童は、
一見、人に使われているように見える。

実際は人を監視していて、
山の神の臣下だったりして。

彼らの活動、信念がこのカンバル国を
守っているというところがすごいです。



バルサは女性なのに
体や顔を切りつけられそうになっても
ためらわず、攻撃を続ける。

それはジグロの教えなんだろうけれど、
だからこそ、
相手がケガをし怯んだすきに
攻撃をして相手を射止めたり、
また自分がひるまなかったことが最大の
防御になり、自分の命を守ることになる。

ジグロの教えはすごいです。

そのおかげでバルサは
戦いに勝つことができたのですから。




最後の闇の守り人とバルサの戦い。

読んでいてつらいものがあります。


生きるために選んだ道。

けれど助けてくれって頼んだわけじゃない。


この戦いで、すべての人の
気持ちが浄化されたと思う。

だから、バルサがカンバルに戻ってくることを
山の神も闇の守り人も待っていたと思う。

バルサが適任だったから。



あまり書いてしまうと、
面白くなくなってしまうので
この辺で。

本当に良い本です。
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時期早々

2016-06-07 22:08:22 | 肝炎
透析病院前の
調剤薬局に定期薬をもらいに行く。


お薬手帳を出す。

お薬手帳には、
肝炎の薬のシール(処方歴)が
貼ってあった。


それをみて
「なにかやっちゃったんですか?
 ってより、
 この薬なんですか?」

薬剤師さんでも見慣れない薬。



「肝炎の治療をすることになって」

と答える。


「あ。。
 それで2週間分。
 これはいい薬ですよ。
 もう一年もすれば
 透析の患者さんにも使えるように
 なりますけれど」

と、暗に時期早々という言い方をされた。



そこに他の客がきたので
この話は打ち切り。

「ありがとうございました。
 じゃあ、また」と。




時期早々。

しっかり確立されましたよ。

2016年5月の肝臓学会の
C型肝炎治療のガイドブックにでていますもん。




情報通の薬剤師でも知らない情報。

肝臓の専門医でも知らない、
知っていても肝機能の値が悪くなった時の、
投薬の調整の難しさから、
やりたくない治療法かもしれない。




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