山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

苦手なマラソン

2005-11-26 22:08:57 | 未分類過去
私はなぜか昔から持久走が弱い。小学校のときはずっとビリだった。体はいたって丈夫なのに、いかにも体が弱くてしょっちゅう熱を出しているような同級生たちにも、全然ついていけない。とにかく走り出してすぐから苦しくて人なみに走れないのである。

風邪を引けばマラソンに出なくてもいいのだと思い、風呂で水などかぶって、しばらく裸で震えていたことがあったが、全然風邪もひけないし、熱もでないのだった。皮肉にも免疫力と体調維持力は抜群らしい。だから、走る機会があれば、一度も休まず参加することになった。

毎年冬に行われるマラソン大会は気が重い行事だった。私が最後を走っていくと、ゴール近くで「これは大物だぞ、ははははは」などとよそのおじさんに言われたりした。好きで最後を走る人間なんかいないし、どんなに恥ずかしい思いで走っているのか、その人にはわからないのであろう。最後を走るのが度胸が据わっているみたいな言い方をされるのは、非常に辛いのだ。
おばさんたちは、走り終わった子にお汁粉などを用意しているのだが、「最後の子がやっときたわよ」というような感じで、お椀を手渡してくれるが、そのときにはみんなはすでに食べ終ったあとで、それもまた必死に食べなければもうみんなは帰り支度を始めているような状況である。

体育の時間などは初めて同じクラスになった友人が、一緒に走ろうなどと言ってくることがよくある。「私は遅いから先に行って」と言っても、「いいよ一緒に行こうよ」などと言われると、非常に困る。マラソンが遅いのは単に気力が足りないからだと思っている人も多く、励ませば走れると思っている。優しい友人は、伴走したり、先に走っていって待っていたりなどをくりかえすが、そのうちあまりにも遅い実態を悟り、あきらめてやっと先に行ってくれる。それまでは、こっちもすごく無理をしてしまい、友人と一緒に走る間、肉体的苦しさと精神的苦しさにさらされることになる。

マラソンが嫌いなのは、体が苦しいからではなく、そういう人とのかかわり、人への気兼ねも大きな原因だった。

そんな私も中学以降は、ビリでゴールすることはなくなった。中学の時に体操部で体力をつけていたせいかもしれなかった。
マラソンと言っても裏山や海岸などの7キロくらいのコースであるが、かなり走って後半にかかったころから、しだいに苦しさがなくなってくるのだ。それで、そのころは、疲れて歩いたりしている人をどんどん抜かして走っていくような状況で、150人くらいで走っても後ろに20人くらいはいるような状況だった。

しかし、相変わらず変わらないのは、とにかく走り出しからしばらくは全然人についていけないことで、前半のしばらくは一番最後を走っている。つまり、走るという状況に肺や心臓が適応するのにとても時間がかかるということらしい。なんでなんだろうと思うが、わからない。

1年くらい前、短期のテレホンオペレーターの仕事をしていたとき、勤務先に行くバスが渋滞に巻き込まれ、前に進まなくなってしまった。そのバスに同じ職場に行く40代くらいの主婦が何人も乗っていたのだが、そのままでは遅刻するのは明らかで、みんなして2つ前のバス停で降り、会社に走って行った。
そのときの、みんなの速さはすごいものだった。私よりずっと太っているようなおばさんが平気な顔してすいすいと走っていくのである。どうしたってみんな常日頃スポーツなどしているような様子ではないのに。
そのときも、いつも親しくしている人が、私が遅れているのをみて、大丈夫?と言って待ってくれた。みんなが信号が変わる前に渡りきった信号も、私は信号が変わる前にたどり着けない状況であった。一緒に私に合わせてくれる人に申し訳なくてしょうがなかった。

走ることに精神的肉体的辛さを実感したのは、高校を卒業して以来のことだった。

長時間走っていれば平気になるのだから、心臓や肺が悪いわけではないようだが、どうしてすぐに適応できないのか分からない。それが、人並み外れて劣っているわけである。
私は、生まれて一ヶ月くらいで、肺炎になって入院したそうであるが、それが原因でもないんだろうなとは思う。しかし、肺活量が人より少ないとか、何か客観的にわかる原因があるならそのほう気が楽になるような気がする。
子どものときから根性がないからだと思われるのが一番辛かったし、走るのが遅いことで、同じバスに乗っていながら遅刻することになってしまうのも悲しいことだ。
同じバスに乗ってきて、他の人が遅刻せず、私だけが遅刻したなら、「遅刻してもいいと思ってゆっくり来たに違いない、勤務に対する真剣さが足りないからだ」というレッテルを貼られてしまうわけである。

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