股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

ミッドサマー

2020年03月02日 10時17分38秒 | 映画評論マ行

製作年:2019年
製作国:アメリカ
日本公開:2020年2月21日
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー,ジャック・レイナー,ウィル・ポールター
映画『ミッドサマー』 絶賛公開中

思いがけない事故で家族を亡くした大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、人里離れた土地で90年に1度行われる祝祭に参加するため、恋人や友人ら5人でスウェーデンに行く。太陽が沈まない村では色とりどりの花が咲き誇り、明るく歌い踊る村人たちはとても親切でまるで楽園のように見えた。
長編デビュー作『へレディタリー/継承』で注目されたアリ・アスターが監督と脚本を務めた異色ミステリー。スウェーデンの奥地を訪れた大学生たちが遭遇する悪夢を映し出す。ヒロインを『ファイティング・ファミリー』などのフローレンス・ピューが演じ、『ローズの秘密の頁(ぺージ)』などのジャック・レイナー、『メイズ・ランナー』シリーズなどのウィル・ポールターらが共演。

『へレディタリー/継承』のアリ・アスター監督の最新作。奥地を訪れた若者たちにふりかかる恐怖を描いた異色ミステリーホラー。
『へレディタリー/継承』の衝撃はなかなかでしたが、本作も負けず劣らずの衝撃作になっています。気持ち悪い、恐ろしい、グロテスク、狂ってる…一言で言えばそんな言葉が思い浮かびますが、何故か観ていくうちに、この世界にハマっている自分がいて心地よささえ感じてしまうような感覚になりました。気持ち悪いけど美しい映画。でも好き嫌いがハッキリ分かれる映画であることは間違いないでしょう。
90年に一度行われるという祝祭に招待された大学生のダニーたち。ダニーは家族を事故で亡くしたショックもあり、どこか吹っ切れたような、現実逃避したいような気持で訪れたホルガ村の祝祭は想像を絶する恐怖の幕開けだったのです。かなりショッキングなシーンが前半からあります。『へレディタリー/継承』の時も思いましたが、この監督は本当に容赦ない(笑)潰れた顔や、折れた足など、まるで芸術作品のように堂々と見せつけられます。しかし個人的にはグロさは置いといて、人間の生と死をストレートに描いている作品に思えました。いくら伝統だとかカルト教団のルールとはいっても、命を殺すということは絶対にあってはならないこと。その気持ちは観る前も観た後も変わりません。しかしこの映画を観ていくと人間にとっての幸せとは人それぞれであって、喜びも悲しみも共有することで人間は生きているのだと感じました。限られた環境やルールの中で生きていかなければならないとすれば、人間は徐々にその順応していってしまうのかもしれないし洗脳されていくのかもしれないけど、結局は答えを出すのは本人。この村の人たちがおかしいのか?ダニーがおかしいのか?クリスチャンがおかしいのか?観終わってから振り返ると誰が正解か、何が正解だったのか分かりません。ダニーが女王として祭り上げられたのも実は計画の一部だったんじゃないかと推理しています。ダニーがホルガ村に来ることも祝祭の計画の1つとしたら?そうなるとダニーの家族の死も村人たちが仕組んだものだった!?
クリスチャンに依存していたダニーは、クリスチャンの裏切りを知り、最後は自らの手でクリスチャンを地獄に落とします。そしてラストの笑顔…。幸せとは何なのか、解放とは何なのか…人によって色んな解釈ができる映画だと思います。美しい悪夢を観ていたような2時間半でした。アリ・アスター監督の次回作が楽しみ!!

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« だだちゃ豆 | トップ | マリッジ・ストーリー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画評論マ行」カテゴリの最新記事