製作年:2023年
製作国:韓国
日本公開:2024年1月5日
監督:オム・テファ
出演:イ・ビョンホン,パク・ソジュン,パク・ボヨン,キム・ソニョン
世界規模の大災害により壊滅した韓国・ソウル。唯一崩落しなかったマンションには生存者たちが押し寄せ、さまざまな犯罪が横行する無法地帯となっていた。危機感を抱いた住民たちは代表を立て、居住者以外を追い出し、住民のためのルールを作って「ユートピア」を築くことにする。住民代表に選ばれたのは、902号室に住むさえない男・ヨンタク(イ・ビョンホン)だった。しかしやがて彼はユートピアの権力者のように振る舞いだし、その狂気をあらわにする。
大災害により荒廃した韓国・ソウルを舞台に、唯一崩落を免れたマンションに集まった生存者たちを描くパニックスリラー。極限状況下でマンションの住民代表に選ばれた男が、やがて権力者のように人々を支配し始める。監督は『隠された時間』などのオム・テファ。キャストには『白頭山大噴火』などのイ・ビョンホン、『ミッドナイト・ランナー』などのパク・ソジュン、『君の結婚式』などのパク・ボヨンのほか、キム・ソニョン、パク・ジフ、キム・ドユンらが名を連ねる。
大災害により荒廃した韓国・ソウルで、唯一崩壊を免れたマンションに集まった生存者たちの姿を描くスリラー。周囲は崩壊し、助けも来ない。唯一崩壊を免れたマンションがあれば、そりゃあそこに皆が集まるのは当然。不法侵入、強奪、殺人…。人間の本性や愚かさがこういう時に出る。狭いマンションの中でもヒエラルキーが起き、リーダーを決めて各自分担して作業を行う。こういう状況においても一つの社会や組織のような考えになるのが面白かったです。マンション外の人間を“ゴキブリ”呼ばわりするのが怖い。極限状態の中でどう生き残るべきか。理性を保ちながら、助け合い支え合いを続けられるか。困っている人は助けてあげようと思っていても、いざ極限状態になったら、果たしてそんな事が出来るのだろうか。自分がマンション住人なら、いくら助けを求められても、まずは自分と家族の命、生活を最優先に考えてしまいそう。「正義」や「悪」、「善人」や「悪人」なんて、とにかく生き残らなければならない環境に置かれたら、そんな事は何の意味も持たないのかもしれないと思ってしまいました。でもリーダーも若旦那も若旦那の奥さんも、みんな大切な人を守りたかった普通の市民なのだと考えてみると、誰も悪くないと思ってしまう。
日本でもいつ起きてもおかしくない首都直下地震や富士山噴火。その時、自分ならどう生きていくか、災害時の避難所での暮らし方や、他の住民たちとの関わり方などについて考えさせられました。
世界規模の未曾有の大災害の原因が気になるところ…。生き残った人々もそんなに長生きは出来ないだろうなぁ…。
この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)