股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

カセットテープ・ダイアリーズ

2021年02月08日 22時17分12秒 | 映画評論カ行

製作年:2019年
製作国:イギリス
日本公開:2020年7月3日
監督:グリンダ・チャーダ
出演:ロナック・チャーダ・バージェス,ビリー・バラット,ヴィヴェイク・カルラ
映画『カセットテープ・ダイアリーズ』公式サイト

1987年のイギリス。ルートンという町に住むパキスタン系のジャベド(ヴィヴェイク・カルラ)は、家庭のルールや伝統、人々が持つ移民に対する偏見から解放されたいと思っていた。ウォークマンでペット・ショップ・ボーイズを聴いていたジャベドはある日、ブルース・スプリングスティーンの音楽と出会う。彼は、鬱屈した気持ちを吹き飛ばすような楽曲に夢中になる。
ジャーナリスト、サルフラズ・マンズールの回顧録をベースにした青春ドラマ。イギリスの町で生活しているパキスタン系の高校生が、ブルース・スプリングスティーンの音楽と出会う。メガホンを取るのは『英国総督 最後の家』などのグリンダ・チャーダ。ヴィヴェイク・カルラ、クルヴィンダー・ギールのほか、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのディーン=チャールズ・チャップマンらが出演した。スプリングスティーン自身の協力のもと、未発表曲を含めた楽曲が多く使用されている。

イギリスの町で暮らす高校生が、ある音楽に出会ったことで成長していく物語。ブルース・スプリングスティーン…すいません存じ上げませんでした。しかし主人公のジャベドが恋人と過ごす時も、家庭や学校で苦しみ悩んでいる時も、常にブルース・スプリングスティーンの音楽が傍に合って、その歌詞がジャベドの心情と見事に合っていて彼を救い続けていたのだと思うと、音楽の力って確かにあるのだと感じました。ブルース・スプリングスティーンの歌詞がジャベドの怒りや悲しみを代弁していて、出来過ぎでしょと思うくらい歌詞とマッチしているのです。「あぁ!ウォークマンにカセット入れて聴いてた!」と懐かしさがこみ上げてきました(笑)
自分の夢を叶えるために努力するのは当たり前。だけど宗教や思想、人種が違うだけで、阻止する人間が現れる。夢を叶えることが出来ない。父親はジャベドに「現実を見ろ。出来るはずがない」と言います。最初は「この父親って酷いなぁ」と思っていましたが、父親自身も差別を受けた経験があるからこそ、自分の子供たちには現実的に生きて欲しいと願うのです。ジャベドの気持ちも理解できるし、父親の気持ちも理解できなくもない。思春期ならではの悩みだったり、親へ反抗してしまう気持ちだったり、好きな人を想う気持ちだったり、友達と上手くいかない辛さだったり…多感な年頃だからこそ全部を吸収しようとしてそれを上手く整理できなくなってしまう。ジャベドを見ていると共感できるポイントがきっと見つかると思います。移民というだけで受ける差別や壁を乗り越えて、ジャベドが本当に大切な人、大切なことに気付けたことに感動しましたし、周囲の人に目を向けたり、周囲の人の声に耳を傾けられる人間こそ"立派でカッコイイ人間”と言えるのだろう。彼に寄り添い続けてくれた音楽に感謝です。多少の脚色はされているだろうけどこれが実話だなんて素敵です♪

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
コメント
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