股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

レ・ミゼラブル

2021年02月07日 13時56分19秒 | 映画評論ヤラワ行

製作年:2019年
製作国:フランス
日本公開:2020年2月28日
監督:ラジ・リ
出演:ダミアン・ボナール,アレクシ・マナンティ,ジブリル・ゾンガ
映画「レ・ミゼラブル」公式サイト

ヴィクトル・ユーゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台として知られるパリ郊外のモンフェルメイユには低所得者や移民たちが多く暮らしており、治安が悪かった。新たに犯罪防止班に加わった警察官のステファンは、同僚たちとパトロールするうちにいくつものグループが一触即発の状態だと気づく。
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した衝撃作。犯罪が多発しているパリ郊外の地域を舞台に、少年が起こした小さな事件が思いがけない展開を見せる。ダミアン・ボナール、アレクシ・マナンティ、ジブリル・ゾンガのほか、『バルバラ ~セーヌの黒いバラ~』などのジャンヌ・バリバールらが出演。ラジ・リ監督が、自身の体験も織り交ぜながら描いた。

世界的大ヒット作の「レ・ミゼラブル」ではない方の「レ・ミゼラブル」です。しかし昨年の第92回アカデミー賞ではフランス代表として国際長編映画賞にノミネートされてます。まぁ昨年は「パラサイト 半地下の家族」が全て持っていっちゃいましたけどね。
話を戻します。犯罪が多発している小説「レ・ミゼラブル」の舞台でもあるパリ郊外のモンフェルメイユの町の警察署に転勤してきた警察官のステファン。町に住んでいる少年イッサが起こした出来事から、ステファンたちを巻き込んだ取り返しのつかない騒動に発展していくのです。白人と黒人、大人と子供、警察と民衆。それぞれの対立が怒りや憎しみ、悲しみの連鎖を生んでいくのです。人種、貧困、差別、宗教を話し合って解決なんて無理なのかもしれない。暴力には暴力を…暴力で全てを抑えつけようとする。こんな事を繰り返していたら平和が訪れるわけがないとは思うのですが、だからといって何が正解なのか分からない複雑な気分に観ていてなりました。ラストシーンも「ここで終わるのか!?」というところで映画は終わりますが、やはり最後まで観ている側に結末を委ねてるのがこの映画の良いところ。誰が正しいとか何が正しいなんて、正解なんて本当は1つも無いのかもしれない…。絶望感と悲壮感を漂わせた子供たちの表情が切なかったです。あんな事を経験して彼はどんな大人になるのだろう…
"世の中には悪い者も悪い草もない。育てる者が悪いのだ”という最後のメッセージ全てを物語っていると思います。とても観るのが辛い映画ですが観て良かった映画でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
コメント
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