製作年:2019年
製作国:アメリカ
日本公開:2020年10月9日
監督:ジョー・タルボット
出演:ジミー・フェイルズ,ジョナサン・メジャース,ロブ・モーガン
ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ/公式サイト
サンフランシスコ。祖父が建て、家族と暮らしていたことのある瀟洒(しょうしゃ)なビクトリアン様式の家に深い思い入れのあるジミー(ジミー・フェイルズ)は、観光名所となったその家を現在の家主が売りに出したことを知る。もう一度、そこに住むことをかなえようと駆けずり回る中、ジミーは家族や常に自分を支えてくれる親友モント(ジョナサン・メジャース)の存在のありがたみや大きさを噛み締めていく。やがて、財産を持たずとも守りたい大切なものが心の中にあるだけで人生は悪くないと思うようになる。
サンフランシスコを舞台にしたヒューマンドラマ。かつて家族で住んでいた家を買い戻そうと奔走する男の姿を通し、街の変容が人々から奪っていくものや家族の絆などを見つめる。メガホンを取るのはジョー・タルボット。ジミー・フェイルズが主演を務め、『囚われた国家』などのジョナサン・メジャース、『黒い司法 0%からの奇跡』などのロブ・モーガン、ダニー・グローヴァーらが脇を固めている。
サンフランシスコを舞台に、主人公の黒人青年がかつて住んでいた家を買い戻そうと奔走する姿を描いた本作。生まれ育った思い入れがある家が誰かのモノになったり、取り壊されたりされないように青年ジミーが駆けずり回る姿を見て、家族との思い出の場所が無くなってしまう切なさだったり、故郷を懐かしむ気持ちに、誰もが共感できると思います。ジミーと親友モントの、互いを支え合う関係も素敵です。信じたい気持ちと信じたくない気持ち。"嘘を本当のことのように自分に言い続けていると、その嘘が本当のことのように思ってしまう”という言葉のように、誰だって現実から目を背けたくなることがある。そんな時に見るべき方向を修正してくれるモントのような親友がいるって、家やお金以上に幸せなことだと思いました。場所やモノに執着しなくても近くに幸せがあるのだと。差別、貧困問題を扱ってはいるものの、どちらかと言えば人と人との絆を軸に描かれていて、心温まる映画です。サンフランシスコの歴史や時代背景や社会問題を勉強していたら、さらに共感できたかなと思います。冷静に考えたら「住居侵入と不法占拠なのでは?」と思ったけど気付かなったことにしよう。カメラワークが素敵でした♪
でも誰だって、いま住んでる街に嫌だと思うことや引っ越したいと思うことがあるのは仕方ないんだよ(笑)この街を憎まないで。
この作品の評価・・・・★★★★★☆☆☆☆☆(満点は★10)