股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~

2013年06月24日 13時35分02秒 | 映画評論タ行
製作年:2011年
製作国:フランス,ドイツ,ベルギー
2012年11月10日公開
監督:マルジャン・サトラピ
出演:マチュー・アマルリック,マリア・デ・メディロス,イザベラ・ロッセリーニ
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愛用のバイオリンを壊された音楽家ナセル・アリは、代わりのバイオリンを探したが見つからず、とうとう死ぬことにした。ベッドに横たわったナセル・アリは人生を追想する。修行の日々から人気者だった時代、大好きなソフィア・ローレンとチキンのプラム煮、そして成就しなかった恋。数々の思い出がナセル・アリの脳裏によみがえる。
漫画家のマルジャン・サトラピが、自伝的漫画を映画化した『ペルセポリス』に続いて自身の作品をヴァンサン・パロノーと共同で映画化したラブ・ストーリー。大事なバイオリンを失い死ぬことを決めた天才音楽家が最期の8日間に振り返った人生を、現実と空想を交えながら美しくファンタジックにつづっていく。『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリックが音楽家を演じ、『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニらが共演。『ペルセポリス』とも違う独創的なスタイルやマチューらの演技に魅了させられる。

ラブストーリーだけど、ファンタジーのような不思議な映画でした。死を決意したとき、人は人生を振り返って何を想うのか…。ナセル・アリは何故そのバイオリンでなければならなかったのか。たった8日間の話ですが、深みのある話でした。重いテーマなのかと思いきや、そうでもなく明るく楽しく観れる作品。

1人の女性との運命的な恋、そして決して叶うことがなかった恋。失意のどん底に陥った彼を救ったのが、師匠から受け継いだバイオリンだったのです。寂しさを埋めるかのように奏でる音色。人生って上手くいかないもの。運命って時に残酷なもの。バイオリンこそ彼の生きがいだったのかもしれません。明るい話かと思いましたが、終わってみればやっぱり切ない愛の物語でした。1日ずつ描かれているので、「まだ○日目かぁ~」と退屈に思えてしまいましたが。
ただし、ナセル・アリのように、いつまでも未練を残すのは良くないことだ。結婚してもあんな態度をとられたんじゃ奥さんが可哀想。バイオリンを壊されたって自業自得と思ってしまう。昔の女に未練あるなら結婚しなきゃいいのに…。もう少し主人公に共感出来れば良かったです。

この作品の評価・・・・69点
コメント
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