日々徒然に

今日はどんな一日で明日はどんな日にしよう?
 今日があることを感謝。
  あしたを考える一日をつくりたいね……

春の嵐になるそうな気配か!

2017年03月19日 | Weblog

 こんにちは…。
 来週は「お彼岸」ですね。はやいものです。これ以降、季節は春らしくなって気がつけば桜が咲きはじめます。
 休みの日の多摩川散歩をしていると、今日はモンシロチョウが飛んでいました。あとは、桜の開花宣言を楽しみにする日々がくるのでしょうか。やっと、温かくなってきた、というところです。
「春はあけぼの」という言葉があるように、春はちょっとぬるめの朝方がいいようです。冬のときよりもいくらかは、小鳥の声も高くなったようにきこえます。

 ところで春はなんでこんなに生物が美しくみえるか考えたことはありませんか。私たちに美しく見える花や鳥たちは実は、春になると熾烈な生存競争を繰り返すそうです。それは、少しでも自分の種を残すためにあらゆる工夫を凝らして生き延びることだそうです。ぼくたちには見えないウィルスに対しての必死の抵抗して種を残すためには、突然変異を繰り返す工夫があるそうです。

※植物たちや動物たちはたえずさまざまな病原体の脅威にさらされている。うっかりしていたら、病気に冒されてしまう。それに対抗するには、病原体に抵抗力のある突然変異を生じたら、できるだけ早くそれをみんなに広めていくしかない。(『春の数え方』日高敏隆著)



 さて、おだやかな春が来るのかなとおもいきや政界は嵐がきそうな気配ですね。とくに、「森友学園問題」で連日騒がれていた籠池泰典がとうとう国会招喚に応じて出席することになりました。自民党も最初は「民間人云々…」で拒否しましたが、本人が自分から「発言したい」と言った経緯から断りきれなくなったようですね。これまでのニュースで「安倍首相関係で100万円の寄付もあった…」というニュースは衝撃でした。ともあれ、来週の国会での喚問は注目されることでしょう。きっと、朝から晩までテレビはこのニュースを流れるのではにかと思います。
 まさに安倍政権とっては「春の嵐」になるのでしょうか。





 今週、封切りの映画を観てきました。題名を「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画です。
 これは、新聞の記事で気になっていた映画でした。いつ、始まるのだろうと気にしていた映画でもありました。監督はケビン・ローチという英国の人だそうです。(ぼくにとって監督が誰であろうといいのですが…)。

 内容は、40年大工をしていた主人公のダニエル・ブレイクというそろそろ人生も終わりをむかえようとしている男。心臓を患い働くことを止まられ、国の支援手当を受けようとするが、「就労可能」と判断されてしまう。しかい、どうしても体のことを考えるとしばらく働くことを休むたいと行動をあとるが。
手当を受けるまでの複雑な制度に翻弄され、たどり着くまでにやけを起こしてしまう。そんなとき、シングルマザーのケイテイと知り合う。ケイテイも国の補償を受けられずいた、それでも、二人の子どもを食べさせるために翻弄する。いつの間にか、ダニエルはこの娘の子どもたちのめんどうをみながら、支援をうける活動を始める。しかし、どうしてもうまくいかず、暮らしに嫌気を指してきてしまう。それでも、お互い励ましあう。
 書類を出すまでがあまりにも複雑で時間がかかりすぎる…。そして、その関係者がちっとも本気に考えてくれない。いったい、世の中どうなってしまったのかと思うダニエルだった。そして、40年まじめに働いて、税金を納めて入り時代はいいが、病で働けなくなると、なんとも冷たい社会なのかと思ったかもしれない。そして、弱者に対しての鞭打つかのような複雑な手続きが壁となる。さらには、そのれをむかえる側の事務的な対応。ただただ、一日の仕事を消化させる社会になっている様子。他人の弱さをカバーをすべく施設なのにカバーするどころではなく、「あきらめる」を待ってるかのような仕組みのなかで働く社会。いったいどうなってしまったんだ…、と思うだろう。



 この映画をみて思い出したことがある。
 例えば、仕事で複写機が壊れてしまったとき問い合わせをする。するとまず初めに「しばらくお待ちください…、問い合わせています」そして、「つながったと思いきや、故障の場合は1番、新規導入の場合は2番、システム変更の場合は3番。いずれかの番号を押してください…」さらに1番を押すと数分間待つ…、「混雑している模様です」というメッセージ、やっとつながった思いきや、「それはこちらではありません」と。主人公のダニエルではないが、ストレスの多い日々であることかと。

 時間がないと「どうにかしてくれ…」と思っていてもますます迷路になっているような仕組みに路頭にくれる。けっきょく、時間も体力もある人しか受け入れないように思えてくる。こうしたシステムの複雑さは本当に必要なのかと思うことがある。本当にこのシステムは困っている人を救うように考えているのかと思うと、いったいどうしたことかと思う。便利さを追求して結果、この現実に翻弄されているのは、本当は弱者であることを忘れているようにも思える。

 とはいえ、ダニエルとってのケイテイがいるように人は支えあうことでどうにかバランスをとっているように思う。そして、映画のなかでフードバンクの場面は心が温めるシーンでもあった。
 これは、まさに日本の起きていた日比谷公園にできた「年越し村」だったようでもあった。

 3月16日の東京新聞の記事にケン・ローチ監督の記事が出ていた。
 この映画は「弱者翻弄する社会制度問う」映画でもあると…。監督いわく「雇用は安定せず、貧困はより貧困になる。今のシステムは、人が尊厳を持った生活できるよう全然サポートしていない。僕は大きな構造の変化が必要だと考えている。唯一の答えは社会主義でじゃないかと思うんだ」と語る。
 さすがに監督らしいコメントだと思う。

 人が「再生」を望むとき本当に必要なことはいったいなんだろうと思えた映画だったようだ。必要なことは、どんなことであれ支えあうことができる関係ではなかったのかとということを語っているような映画だったのではいか。裏をかえせば、現代はそれだけ人と人の関係が希薄で、まじめに働くことに価値や尊厳を失っているのではないあだろうか。
 そんなことを考えさせた映画だったように思う。
……………………………………ときに映画はその時代の「鏡」でもある…ってなことを聞いたことがる。今回の「わたしは、ダニエル・ブレイク」は「鏡」であったような気がします。それに、ぼくは60歳以上で「シニア」であるのでちょっと安くみられるのが気にいっています。
(でも、帰りにいつもパンフレットを買うので同じですがね。そう思うと、日本の映画会はまんざら捨てたものじゃありません。企業努力していると思います。実にいい映画だったように思えた。

【ケビン・ローチ】
1936年6月17日、イングランド中部・ウォリックシャー州生まれ。電気工の父と仕立屋の母を両親に持つ。高校卒業後に2年間の兵役に就いた後、オックスフォード大学に進学し法律を学ぶ。卒業後63年にBBCテレビの演出訓練生になり、66年の「キャシー・カム・ホーム」で初めてTVドラマを監督、67年に『夜空に星のあるように』で長編映画監督デビューを果たした。2作目『ケス』(69)でカルロヴィヴァリ映画祭グランプリを受賞。その後、ほとんどの作品が世界三大映画祭などで高い評価を受け続けている。労働者や社会的弱者に寄り添った人間ドラマを描いた作品で知られる。その政治的信念を色濃く反映させた、第二次世界大戦後イギリスの労働党政権誕生を、労働者や一市民の目線で描いたドキュメンタリー映画「THE SPIRIT OF ‘45」(13)などがある。ケン・ローチのフィルモグラフィーにおける集大成とも言える本作は、2015年のカンヌ国際映画祭では『麦の穂をゆらす風』(06)に続く2度目のパルムドールを受賞した。同賞の2度の受賞はミヒャエル・ハネケらと並んで最多受賞記録である。





『さくら』
さくらの つぼみが
ふくらんできた
と おもっているうちに
もう まんかいに なっている

きれいだなあ
きれいだなあ

と おもっているうちに
もう ちりつくしてしまう

まいねんの ことだけれど
また おもう
(詩・まど。みちお『人生処方詩集』平凡社)より
 



 今週、「経団連と連合のトップ会談で、焦点となっていた企業の長時間労働是正に向けた残業上限規制について、繁忙期などは月100時間を基礎に法定化することで合意した」(東京新聞3月14日付)という記事がありました。けっきょく、あいかわらず残業時間を減らすことにより、仕事のありかたはそのままで残業時間を分散してやるような仕組みのように思います。安倍首相の「働き方改革」とは、どこえまでも企業優先であるように見えます。
 むかし、「国鉄民営化」で多くの自殺者が出ました。それでも、民営化は貫徹されていまがあります。そんな歴史の中でできた今のJR交通です。人柱のなかで誕生したJR○○です。残業時間是正といっても、これまで「過労自殺」の人たちのことをどれだけ考えて「合意」になったのでしょうか。

 これを受けて、過労死遺族の人たちは反発しています。当然でしょう。人の命が軽いようにみえる「合意」です。連合の会長はどうしてこんなあたりまえのことを分からないのかという気持ちでもあります。
 「全国過労死を考える家族会」の代表(寺西笑子さん)は「とんでもない話。容認するわけにはいかない」と批判をしています。さらに、中原のり子代表は「残業を八十時間しなくても命を落とし、健康を害する方がいっぱいいる」と指摘しています(東京新聞3月16日)。

 これが現実なのでしょうか。
 
 さて、お彼岸もあり、天気のいい連休が終わります。今年のお彼岸はいかがだったでしょうか。今週、「森友学園」で騒がしい一週間が始まりそうです。
 桜の花も咲きそうです。
 まあ、ゆっくりいきたいものです。
 今週はこのへんで失礼します。
 読んでくれた人、ありがとうございました。