日々徒然に

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「人間の條件」を読んで…

2009年01月18日 | Weblog
 1月も半ばを過ぎ、すでに終わろうとしています。はやいものですね。
 仕事も忙しくなってきました。仕事で忙しさはあっても仕方がないのでしょうがこれと比例して賃金も上がっていくのも当然だと思いますが、現実にはなかなか上がるきざしが見えませんね。09春闘では、「派遣切り」に見られるように(そうマスコミが誘導しているのか)「賃上げよりも雇用」ということが春闘を前に多く報道されています。この時期、とくに意図的に報道だれているのではないかと思いますが…。いつの時代にも「忙しい人」と「忙しくなくても裕福な人」といった構図が必ずあるものだ…とつくづく感じています。
 そして必ず、誰かが得をすると、かならず誰がが損をしているという実体があるものです。とくに今年はその時代だと思いますが…。ただ、私たちはその真実を突き止める糸口がないために知らないだけなのだと思います。
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 さて今週は昨年末から読みつづけていた『人間の條件』(五味川純平)を読み終えました。およそ1カ月間、通電車や自宅での空いた時間をコツコツ読んでやった終わりました。寄る年なみにはかてず、老眼も進んでいて文庫本の字は小さいので苦労しました。しかし、小説に没頭できていた楽しい時間でした。
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読むきっかけは…
 いつでしたか、テレビを観たら「私の1冊」という番組で感動した作品を紹介していた人の「戦争を知らない世代に読んで欲しい」という言葉が印象に残りました。また「主人公の梶と美千子の二人の愛情がどんな時代でも貫かれるのか…という点にも注目して読むのが楽しかった…」など、うる覚えですが印象に残ったので、読んでみたく本を取りました。
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内容は…
 1943年、この物語は日本が満州(中国)に侵略をすすめていた時代。さらには「徴兵制」のあった時代の物語です。
中国に企業進出をすすめていた会社に勤めていた梶(主人公)がこの時代に疑問をもつようになりつつも働いていました。一方で美千子という女性と知り合い、結婚してこれから二人で頑張って生きていこうと思ったやさき、憲兵隊に危険視された梶は戦争に兵隊として巻き込まれていきます。
 その中の訓練で戦争に行く…ということは人間がどう変わっていくのか、さらに戦場で人が人を殺すという現実にむきあっていくために必要な非人間的な行動をくり返したたきこまれます。まして梶は小さく芽生えた戦争への疑問、中国人への強制労働への疑問などの考が邪魔になり、軍国の兵隊になることが出来ませんでした。しかし、自分がこの戦闘の中に生きていくためには軍人でありことを実践してくしかなくなっていきます。そして、ソ連が中国国境を越え、日本軍との戦闘にはいりますます日本の敗戦はまじかにせまってきます。
 1945年、終戦…。その時代、ソ連の捕虜となって酷寒のなか強制労働。脱走。
 大きな大陸をいつか美千子に逢うために、ただそれだけをささえに歩きつづける。敗戦まで日本人に動物のように扱われていた中国人からの報復…。それでも梶は歩く。
 とうとう、雪が降るなか梶は静かに眠って、愛する美千子にも逢えず終わります。
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感想はというと…
 戦争はいったい「誰のために」に戦っていくのでしょうか。政治家は「国家」のためという。兵士一人ひとりは「家族ため、愛するものため」という。
 自衛隊がイラク派兵にいくとき、家族のための一方彼らの背中には「日本国家」が背負われていたのでしょう。しかし、つきつめて考えると「戦争」は多くは話し合いの決裂の結果。それは外交関係での失敗…。政治家の無策あるいは経済界の圧力…といった構図が出来上がっていくのではないかと思います。
 例えば、武器輸出をもくろむ国の意向での戦争。武器がないような国にいつの間にか多くの武器があるのはなぜかと思うほど不思議…。
 結局、個人の域をこえたなかで動きはじめる戦争(武力闘争)。その圧倒的な犠牲者は「なぜこの戦争をしたのかわからない…」とう子ども達、女性や高齢者たち…となる。
 ここでも最初に述べた「得する人、損をする人」のことが気になってきた。
 今回「人間の條件」を読んで戦争は結局、私たちには無関係なのだろうと思う。なぜなら、戦争をヤル必要を感じていないのですから。だから、戦争は圧力によりあるいは強制ではじまるのではないか思った。いやだね…!!
*読んでくださった方、ありがとうございました。

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