パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

グッバイ・ゴダール!★★

2018年09月05日 | アクション映画ーカ行

世界的映画監督ジャン=リュック・ゴダールの「中国女」のヒロインに抜擢され、彼の2人目の妻となったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説『それからの彼女』を「アーティスト」「あの日の声を探して」のミシェル・アザナヴィシウス監督が映画化した伝記コメディ。出演はゴダール役に「ドリーマーズ」「恋人たちの失われた革命」のルイ・ガレル、アンヌ役に「ニンフォマニアック」のステイシー・マーティン。

あらすじ:1968年、パリ。世界中から注目される気鋭の映画監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作「中国女」のヒロインに大抜擢された哲学科の学生アンヌ。刺激的な映画制作の現場を体験し、やがてゴダールのプロポーズを受け結婚した。メディアに追いかけられながらも甘い新婚生活に幸せを感じるアンヌ。しかし折しも街では革命の機運が高まっていた。ゴダールも映画よりも社会運動に傾倒していき、そんな彼に戸惑いを隠せないアンヌだったが…。

<感想>フランスの映画監督、ジャン=リュック・ゴダール作品というと、「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」、それに「中国の女」は観ていないが、1968年の五月革命に揺れるパリを背景に、二人目の妻の19歳のアンヌが手記した天才監督の私生活を赤裸々に描いている。

妻が若いとそれに合わせるがごとくの私生活姿が映し出される。女優でもあるから、家事などはしない妻に対しても文句ひとつ言わずに、いつもゴロゴロと一緒にいる。外食をしたり、宅配もののヤキソバを、箸を器用に使いながら食べる2人を見せられ、だから食事シーンが印象的に映る。

若い恋人のアンヌと、裸でフランスパンをかじる朝食なんてお洒落だなんて思ったが、スッポンポンの2人を見せられ幻滅してしまう。色気なんて感じない。その他にも、豪快に手づかみで骨付き肉をぱくつく姿もあり、ナイフとフォークを使いまずそうに食べる食事風景もある。

彼女が他の監督の仕事をすると聞くと、その撮影場所へ邪魔をするようにわざと押しかけて行く。若い妻を愛するゆえの嫉妬からかも。そして、結局はその撮影場所で喧嘩が始まるのだった。

実際の生活は事実とフィクションを織り交ぜて描かれているも、観ている観客はきっとそうであったろうと納得がいくのだ。年の離れた夫が、若い学生妻を誰にも渡したくないという感情の表れかな。

ゴダールの信奏者ではないが、その彼の映画の才能は認めている。好きな作品もあれば苦手な作品も中にはある。そういう者から観ても、この映画は何だかイビツに感じてならない。

2人目の妻となったアンヌ・ヴィアゼムスキーから見た私生活の彼。その我儘ぶりを作り手は強調しているように見えるが、どこか神格化しているゴダールをまるで地面に叩きつけているような感じもするのだ。

自伝的小説『それからの彼女』は未読だが、対象者への畏敬の念とか愛が感じられなくて、まぁそれもありだと思いつつも、ゴダールの迷走ぶりがパリで起こった反体制運動、いわゆる“5月革命”に影響されていて、さらにめちゃくちゃになって行く様子が伺われる。

2015年公開の「さらば、愛の言葉よ」をDVDで観てみようと思う。今年87歳のゴダール監督、これからの作品に懸けて、未だ現役とばかりに活躍することを願う。

018年劇場鑑賞作品・・・172 アクション・アドベンチャーランキング

 

 映画に夢中

 トラックバック専用ブログとして、エキサイトブログ版へ

トラックバックURL : https://koronnmama.exblog.jp/tb/30031489