『カンナさん大成功です!』『国家代表!?』などのキム・ヨンファ監督が放つ、異色のベースボールムービー。最下位が定位置のプロ野球チームが、大物ルーキーとしてサーカス出身のゴリラを迎えたことから巻き起こる騒動の数々を描いていく。『ミラクル7号』などのシュー・チャオ、『食客』のキム・ガンウらが共演。最先端のデジタル技術を駆使して創造されたゴリラのリアルな質感の毛並みや表情、彼と人間の少女の絆をめぐるドラマにも注目。
あらすじ:万年最下位のプロ野球チームであるベアーズは、一世一代の賭けに出た。凄腕スカウトマンが連れてきた大物ルーキーに、起死回生を託したのだ。
その正体は、資金難に陥ったサーカスから雇い入れたゴリラのミスターGOだった。ゴリラ使いの少女(シュー・チャオ)と共に初打席に立った彼は、すさまじいパワーで豪速球を打ち返してバックスクリーンを粉砕してしまう。ミスターGOを切り札に快進撃を続け、日本の球界をも巻き込む強奪戦を引き起こすベアーズだが、同じゴリラの投手ZEROSが現れる。さらに、彼との決戦を前にミスターGOの膝が故障してしまう。
<感想>「ゴリラがプロ野球の強打者選手に」と聞いて、想像した映画とは、かなり違った。キャラクター設定の繊細さと先が読めない高度なテクニックを有し、合作映画としての洗練さも相当なもの。これは不思議な映画が生まれたものだと、しみじみと嬉しくなった。
もちろん、最高峰のテクノロジーによるフルCGゴリラは圧巻のド迫力なのだ。それに、予想を次々と裏切る野球シーンは興奮の連続ですから。当たり前と言えばそれまでなのだが、とにかくゴリラのかっ飛ばすホームランはぴか一ですから。
満塁でそこへ代打のミスターGO(本名はリンリン)が打席に立つと、必ず場外ホームランなので、敵のチームはミスターGOが出場するとフォーボールで押し出しにしてしまうこともある。それにピッチャーが、わざとボールを地面に転がしたり、逸らしたりしてリンリンに球を打たせないようにするのだ。予想を裏切る野球シーンに呆れ返ってしまう。確かに、いくら訓練しているとは言え、猛獣には違いない。ゴリラを人間の野球チームに入団させること自体前代未聞で、ルールブックには人間だけでチームを作れとは書いてない」なんて勝手なことを言う。
元々は、中国吉林省の貧しいサーカス団から人間よりもはるかに運動能力があるとされるゴリラを、金で引き抜き韓国野球で戦わせるという発想は、実にユニークだと思います。片手打ちのゴリラは快音を立てて夢のようなホームランをかっ飛ばし、やがて彼を迎えるべく、同じサーカス団から連れてこられたゴリラ、ゼロス(獰猛なマウンテンゴリラ)の投げる剛速球はキャッチャーをのけぞらせるのだ。いずれにしてもCG撮影によるものだが、ゴリラを取り巻く俳優たちが揃って素晴らしい。
特に、中日ドラゴンズのオーナー役に、日本のオダギリジョーが好演して、マッシュルームカットの髪形で、オカマちゃんみたいに軟弱な男を演じている。読売ジャイアンツのオーナーは、韓国人俳優だと思うが、このゴリラ選手をスカウトするのはいくら何でもいかがなものかと。
それに、あまりにも動物虐待をしているような、無理やり打席に出してホームランを望む球団オーナー。結局は、膝の故障で野球どころではない。ですが、金儲けのために、リンリンを日本の球団に出すことでお金が入るというのだ。そのことを知ってか知らずか、ゴリラはただ、少女の言うことを利き彼女のためなら自分の体の不調なんて言わないのだ。
ゴリラ使いの少女のシュー・チャオは、「ミラクル7号」でディッキーという男の子役を演じた少女である。ここでは、真っ赤なチャイナドレスでテレビ番組に登場するなど、かなり大人びた女優さんになりましたね。
それに、不愉快なのが、この作品が中国をゴリラが住まう野蛮な地として見なし、日本を奇妙に洗練された羨望の対象として描いていること。極めて貧しい東アジア観を無防備にさらしているから。中国から来た少女にそうして韓国語を話させる都合のよさ、野球描写の粗雑さだけが鼻についた。
それでも、サーカス団の借金はどうなったのか?・・・そんなこと心配しなくてもいいのか。娯楽映画だと思えば最後まで楽しく見られます。先週Ⅰ週間だけ上映だったのだが、私が観た時には誰も観客がいなくて借り切りだった。残念です。
2014年劇場鑑賞作品・・・237 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
「ミラクル7号」
あらすじ:万年最下位のプロ野球チームであるベアーズは、一世一代の賭けに出た。凄腕スカウトマンが連れてきた大物ルーキーに、起死回生を託したのだ。
その正体は、資金難に陥ったサーカスから雇い入れたゴリラのミスターGOだった。ゴリラ使いの少女(シュー・チャオ)と共に初打席に立った彼は、すさまじいパワーで豪速球を打ち返してバックスクリーンを粉砕してしまう。ミスターGOを切り札に快進撃を続け、日本の球界をも巻き込む強奪戦を引き起こすベアーズだが、同じゴリラの投手ZEROSが現れる。さらに、彼との決戦を前にミスターGOの膝が故障してしまう。
<感想>「ゴリラがプロ野球の強打者選手に」と聞いて、想像した映画とは、かなり違った。キャラクター設定の繊細さと先が読めない高度なテクニックを有し、合作映画としての洗練さも相当なもの。これは不思議な映画が生まれたものだと、しみじみと嬉しくなった。
もちろん、最高峰のテクノロジーによるフルCGゴリラは圧巻のド迫力なのだ。それに、予想を次々と裏切る野球シーンは興奮の連続ですから。当たり前と言えばそれまでなのだが、とにかくゴリラのかっ飛ばすホームランはぴか一ですから。
満塁でそこへ代打のミスターGO(本名はリンリン)が打席に立つと、必ず場外ホームランなので、敵のチームはミスターGOが出場するとフォーボールで押し出しにしてしまうこともある。それにピッチャーが、わざとボールを地面に転がしたり、逸らしたりしてリンリンに球を打たせないようにするのだ。予想を裏切る野球シーンに呆れ返ってしまう。確かに、いくら訓練しているとは言え、猛獣には違いない。ゴリラを人間の野球チームに入団させること自体前代未聞で、ルールブックには人間だけでチームを作れとは書いてない」なんて勝手なことを言う。
元々は、中国吉林省の貧しいサーカス団から人間よりもはるかに運動能力があるとされるゴリラを、金で引き抜き韓国野球で戦わせるという発想は、実にユニークだと思います。片手打ちのゴリラは快音を立てて夢のようなホームランをかっ飛ばし、やがて彼を迎えるべく、同じサーカス団から連れてこられたゴリラ、ゼロス(獰猛なマウンテンゴリラ)の投げる剛速球はキャッチャーをのけぞらせるのだ。いずれにしてもCG撮影によるものだが、ゴリラを取り巻く俳優たちが揃って素晴らしい。
特に、中日ドラゴンズのオーナー役に、日本のオダギリジョーが好演して、マッシュルームカットの髪形で、オカマちゃんみたいに軟弱な男を演じている。読売ジャイアンツのオーナーは、韓国人俳優だと思うが、このゴリラ選手をスカウトするのはいくら何でもいかがなものかと。
それに、あまりにも動物虐待をしているような、無理やり打席に出してホームランを望む球団オーナー。結局は、膝の故障で野球どころではない。ですが、金儲けのために、リンリンを日本の球団に出すことでお金が入るというのだ。そのことを知ってか知らずか、ゴリラはただ、少女の言うことを利き彼女のためなら自分の体の不調なんて言わないのだ。
ゴリラ使いの少女のシュー・チャオは、「ミラクル7号」でディッキーという男の子役を演じた少女である。ここでは、真っ赤なチャイナドレスでテレビ番組に登場するなど、かなり大人びた女優さんになりましたね。
それに、不愉快なのが、この作品が中国をゴリラが住まう野蛮な地として見なし、日本を奇妙に洗練された羨望の対象として描いていること。極めて貧しい東アジア観を無防備にさらしているから。中国から来た少女にそうして韓国語を話させる都合のよさ、野球描写の粗雑さだけが鼻についた。
それでも、サーカス団の借金はどうなったのか?・・・そんなこと心配しなくてもいいのか。娯楽映画だと思えば最後まで楽しく見られます。先週Ⅰ週間だけ上映だったのだが、私が観た時には誰も観客がいなくて借り切りだった。残念です。
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「ミラクル7号」