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風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

素材による音の違い。木・椿

2014-08-14 | 木のパンフルート

椿の花は情熱的な赤い色ですが、パンフルートとなった木肌は薄い黄色にほんのりオレンジ色が入ります。

   

山椿の木をパンフルートに組み立てました。  早めに収穫しないとサルに食べられてしまいます。すでに2コ被害。

パンフルート工房近くの里山に入るとすぐ白い木肌の細長い木が目に飛び込みます。

褐色・黒系統の色の多い山中で白色はよく目立ちます。

椿の木はよく庭木として栽培されていますが、この場合は自分の周りに十分な空間があり枝を横に伸ばしこんもりと

茂る樹形となり上方向にはあまり伸びて行きません。

一方パンフルートとして利用する山椿の生息地では他の高木樹が10数m上に枝葉を茂らせていますのでできるだけ

上へと伸びて行かざるを得ません。

山椿は常緑で中木種として生きる道を選びました。

他の広葉樹が葉を落とす晩秋から新芽を出す5月までの半年間太陽光線を受けて成長するのです。

木を切断した時に見える年輪をみたらよくわかるのですが、松杉や広葉樹は夏に太って行く痕跡があります。

一方の山椿の年輪には夏の部分の成長は見られません。

冬場に成長する密度の濃い部分だけが輪に重なっております。

当然光線の弱い冬場に成長する量は限られていますので山椿が太るには相当の年月を要します。

   

パンフルートとなった椿の木は密度が濃いので重量が増します。(テノールパンフルートで710g)

当然発する音は重量感が増します。

音の立ち上がりは細いので立ち上がり後に押し込んで行く作業が必要となります。

初心者には扱いづらい楽器となっております。

以前当工房を見学に来られたお客さんが同類の立ち上がりの細い楽器を試奏されてみて「ここの工房の楽器は音が

出ない」と嘆いておられましたが、細く立ち上がった音を押し込んで膨らませて行かなければならないパンフルート

もあるのです。

この作業は面倒なことではありますが、これをマスターした時あなたのパンフルートの音の世界が変わります。

このように立ち上がり音の細いタイプのパンフルートは演奏家を鍛え育てて行く側面を持ち合わせています。 

パンフルート工房では地元広島の素材を使ってパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などの問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。

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素材による音の違い。木・松

2014-08-11 | 木のパンフルート

松の木は西日本では多く見られますが、パンフルート工房のある広島地区では「松枯れ病」により

ほとんど枯れてしまいました。今では1割がところどころに残っている程度です。

   

 この松のパンフルートは枝付け根の中心部分、ヤニ成分の多い「肥え松」を集めて組み立てました。重いです。

松の木の幹組織の中には冬に成長する木目の細かい部分に粘いヤニ成分を含みます。

特にヤニが集中している部分が枝付け根の中心部位となります。

他の木には見られないヤニ成分を含む特性を最大限に生かすには「枝付け根の部分を集めてパンフルートにするしか

ない」と思いつきパンフルート工房近くの里山に入り肥え松を拾い集めてまいりました。

「マツのザイセンチュウ」に水分を吸い上げる部分を食い荒らされた松の木はやがて枯れ、立ったまま腐り始めます。

10数年経つと木は倒れ地面に接した部分から急速に腐敗が進みますが、枝付け根のヤニ成分の多いところは水分の

侵入をはねつけ生き残ります。

   

大中小の肥え松。本来中央より左半分が幹の中に埋まっています。幹が腐り抜け落ちます。10数年かけ集めた肥え松。

肥え松のパンフルートは素材組織のなかに油分を含んでいますので重量が重くなります。

中音域テノールパンフルートで比較してみると竹650gに対し肥え松940gになります。

ちなみに桜の木のテノールパンフルートは670gでした。

パンフルート管組織内の比重が高いぶん音は響きを増します。音が重量感を持ちます。

パンフルートから音が進み出たあと、軽い音は四方八方に飛び散るイメージに対し肥え松の重量感のある音は塊が進み、

数m先の地面に落ちて砕けて行く感じです。

音の質量が重いのです。

いま集中して吹き込みを進めていますが、音が前へ前へと出て行くように変わりつつありますので成長を楽しみながら

吹き進めています。 

 パンフルート製作工房は地元広島の竹や木の素材を使ってパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。

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素材による音の違い。木・桜

2014-08-05 | 木のパンフルート

パンフルートの素材による音の違いは竹と木となると質量の違いが際立ちずいぶんと雰囲気が違ってきます。

   

    パンフルート工房近くの里山に生育していた山桜の木を素材にパンフルートに組み立てました。

桜の木はソメイヨシノが各地に多く植えられ春を告げる花を咲かせることで日本人に好まれている木です。

今回パンフルートとして使用した材はパンフルート工房近くの里山の雑木林の中で伐採した「山桜」の木です。

ソメイヨシノの木は川土手などに間隔をあけて植えられ横にも伸びてこんもりとした樹形となりますが、山桜の育つ

雑木林での環境はたくさんの木が密集しており、お互いが太陽光線の奪い合いを繰り広げています。

当然枝を横に伸ばす空間はなく上へ上へとのびて行かざるを得ません。

そこで山桜の木は1本の太い幹が直に伸び、太陽光線を受け止める先端部分に枝葉を繁らせる樹形となります。

   

パンフルートに変身した山桜の木の音は、温もりのなかに鋭い響きを放つ不思議な世界をかもし出します。

ベースは木独特のほんのりと温かみのある音なのですが、そこに強烈な響きが加わるのです。

低音域は温かみのオブラートに包まれますが、楽器の中央から左の高音域はそのオブラートがはじけ散る勢いで

響きが広がります。

とにかく「バリバリ」『ビリビリ」強烈な個性の管が並びます。

吹き込みを通じて他の種に見られない育ち具合なので、注意深く育てて行きます。

当パンフルート工房は地元広島の素材を使ってパンフルートを製作しいる「手作り楽器製作工房」です。

購入・修理・教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。

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木目の美しさ~木のパンフルート

2014-07-19 | 木のパンフルート

当パンフルート工房ではパンフルートの素材に竹のほかに木でも作っており、両方を対比することができます。

   

 桜の木のパンフルートは繊細な木目が現れます。  松の木のパンフルートは大胆で野性的な木目で引きつけます。

木管のパンフルートは作るのは大変ですができ上がって表面に現れでる木目を見るのが楽しみとなります。

各々の木の特性によりその表面の表情は千差万別です。

内面的な音質も違って来ますし重量・感触など違いが際立ち、製作者にしか味わえない対比を楽しんでいます。

   

いま松・桜・椿・竹の4種の新作パンフルーの音の対比を楽しみながら吹き込んでいます。

新作パンフルートの場合は音が不安定で固まっていないのでこの時期に集中的に吹き込んで音をなじませます。

音だしを通じて竹と木のパンフルートの違いを体感しております。

一言でいうと竹は「混じりけのない透明な音」木は「いろんな音が混じり合った濁った音」となります。

どちらを好まれるかはその人の感性によりますが、私は木の音の「濁り具合」が新鮮でいまは木の新作パンフルート

松・椿・桜の3種を吹き進めています。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

工房見学でいろんなパンフルートの音色にふれあってみてください。広島市安芸区上瀬野町205(国道2号線沿い)

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木と竹のパンフルート吹き込み

2014-07-04 | 木のパンフルート

新しく仲間に加わった木6台と竹1台のパンフルートの吹き込みを行なっております。

   

 左より桜・椿・松の木のパンフルート                   竹のパンフルート。

新しくできたパンフルートは集中的に吹き込んで音を安定させ、成長させて行きます。

3オクターブ集まっている各々の管は独立して音を出す一人前の楽器です。

もののはずみで自分とは違う音程の見知らぬ隣人がくっ付いてきてとまどっているのです。

   

  パンフルート工房前の畑で夏野菜の収穫がはじまりました。この時期は野菜だけでお腹がいっぱいになります。

当然外観も内径も質量も違う者どうしの集まりですから、隣人の音の質感も微妙にちがいます。

パンフルート製作者はそれを前提に一人ひとりの音を振動という物質でみんなに紹介しているのです。

ここで注意していることはできるだけ正確な音程の振動を出して伝えることです。

誕生直後のパンフルートというのは接着剤やニスが乾き続けており、力学的には引っぱりや圧縮が起こり楽器全体が

ひずんでいる最中なのです。

1週間もたたずせっかく合わせた音程はくるって来ます。

初対面で良い印象を与えられるようこまめに調律をしてあげます。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで

調律道具販売・パンフルート修理・パンフルート教室なども行なっております。お申し込みください。 

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