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風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

穴あけで割れ続出

2014-03-13 | 木のパンフルート

木のパンフルート作りでは穴あけ作業が一番難しい工程になりますが、肥え松材は特に難しくなります。

   

管の先端に針金を巻いて締め付けてからドリルで穴あけをします。 難関を突破して生き残った管のパンフルート。

今回のパンフルート製作の素材である「肥え松」はヤニ成分を含んでいるため常に油分で湿った状態にあります。

他の木とくらべ縦方向に剥がれやすいのです。

穴あけ前の材料は外径に余裕をもって大きめな寸法にしてあるにもかかわらず、ドリルでの穴あけ時には圧力に耐え

きれず割れてしまいます。

   

 パンフルート工房のある地区では南向き斜面にある梅の木に花が咲き始めました。春近しですね。

せっかく苦労して集めてきた素材が一瞬で廃棄物となってしまいます。

これを防止するため円筒の端に針金を巻き付け締め付けた後穴あけ作業に入ることとしました。

パンフルート管大小を問わず全ての管に養生をした後、木工ドリルで穴をあけ進めます。

すごく手間がかかりますが、これも貴重な材料を少しの無駄もなく使ってあげる心遣いであります。

パンフルート製作・販売をしています。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

調律道具販売・管の割れ修理・教室なども行なっています。お申し込みください。 

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約2割の歩留まり

2014-03-11 | 木のパンフルート

肥え松の木のパンフルート製作にあたっては材料確保に大変な労力が必要となります。

   

 パンフルート管として採用するのは木の芯部分のみであり、側は削りとって燃料とします。

と言うのも、重い枝を担いで山から下し工房に持って帰ってもパンフルートとして利用できるのは芯のわずかな部分

だけでありパンフルート1台ぶんの大小22管をそろえるには相当量の肥え松枝を確保する必要があるからです。

   

山から持ち帰った肥え松はパンフルート工房母屋軒先で保管、乾燥させます。早く組み立てないと材料で埋まります。

とにかくかさ張るのでパンフルート工房軒先外周は肥え松で埋め尽くされてしまいました。

この状態を見るにつけ「火災事故でもおきたら大変だ」と思うようになりました。

外周をスッキリさせるためにも肥え松パンフルートの早期完成を決意したしだいです。

パンフルート製作・販売をしています。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

調律道具販売・管の割れ修理・教室なども行なっています。お申し込みください。

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肥え松(こえまつ)って何?

2014-03-09 | 木のパンフルート

今回のパンフルートの素材に使っている「肥え松」についてみなさんご存知でしょうか。

   

みなさんがよく目にする松材柱の中に埋まっている状態です。私は山で松の倒木を探し歩き朽ち木から取り出します。

今回私がパンフルートの素材として採用している「肥え松」とは、松の木の枝の付け根にある芯の部分です。

通常は上写真のように枝芯の肥え松部分は建築材料として柱の一部になっており取り出すことはできません。

   

山の中で肥え松を集め肥え松部分を取り出し工房で乾燥させます。肥え松のパンフルートはヤニを含み赤く輝きます。

松の立ち枯れの木は立ったまま腐り始めますが約10年たつと倒れ地面と接します。

幹部分は上写真のように崩れるように腐りますが、枝の根元の部分だけ腐らずに残ります。

中にヤニの油成分を含んでいて水分をはじくので相当長い期間自然の中にのこります。

当初は宮島彫りに見られるような「仏像や仙人の姿を彫り出せたら」と別の目的で集めていたのですが、大小数が

そろった時パンフルートにして肥え松のヤニ油を含んだ音が聞きたくなりました。

パンフルート製作・販売をしております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

調律道具販売・割れの修理・教室なども行なっておりますのでお申し込みください。

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肥え松のパンフルート組み立て作業へ

2014-03-07 | 木のパンフルート

昨年末より準備をしてきた松の木(肥え松部分のみを使用)のパンフルートが組み立て作業にはいりました。

   

1台分ずつ選別した管を用意し、カーブのついた専用治具で組み立てていきます。パンフルートの原型ができます。

パンフルート作りは素材の下処理に多くの工程と手間をかけます。

このように組み立て作業に入る時にはこれまでの手間のかけ具合により基本的な音の性格は決定されています。

これからの作業は決定された音のバランスを崩さないよう丁寧に扱って形に仕上げて行きます。

   

 野菜作りで畑の手入れも開始。木のパンフルート作りで出たのこ屑を草取り後に撒き新たな雑草の発生を防ぎます。

組み立て台座のカーブはそれぞれの工房によって違っています。

私の作った台座はスイスのダヨリさんの製作されたパンフルートを参考にしていますのでカーブは小さめであります。

パンフルートの奏法には1、楽器を動かす。2。楽器は固定し首をうごかす。3、楽器と首の双方を動かす。の3つ

に分けることができますが、当工房のパンフルートカーブは2と3にむいていると思われます。

パンフルート製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

調律道具販売・割れなどの修理・教室なども行なっております。お申し込みください。

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内穴肌を滑らかにする

2014-02-25 | 木のパンフルート

パンフルート管内側のカベの肌はスベスベの状態が求められます。

   

パンフルート管は組み立てられる前に肌荒れ対策が行なわれます。 手作りの化粧道具でもち肌をつくっていきます。

 パンフルート管の内穴は入り口部分しか見ることはできませんが、その仕上がり具合を見てサンドペーパーを丸棒の

先に貼付けた道具で中を手探りで仕上げて行きます。

   

 パンフルート工房近くの川沿いにあるナリヒラダケの竹林。  農業用杭など地元の人との共用で利用しています。

穴の内面をきれいに整えることはパンフルート管で発する音を整えることにつながります。

管内部のカベに段差があったりバリがあったりするとおとがくすんでしまうのです。

透明でクリアーな音に近づくためには管内磨き作業は欠かせません。

極端な例ですが工房内で長い間保管してあったパンフルートの管内にクモが巣を張ることがあります。

知らずに試奏を進めるとその管では音が出ません。

音がでない時は管の割れとかをまず確認しますが長期間放置の場合はまず管内を覗き込んでクモの巣を確認します。

丸棒の先に布を巻き付けた専用道具で管内を磨くと音は復旧します。

ついでに「ドロオイ」という蜂の一種が中に卵を産みつけて泥でふたをしていることもありますが、蓋をはいで中身

を出し管内を磨き上げると何の後遺症もなく復旧します。

パンフルート製作・販売を行なっております。

お問い合わせは080-5235-7664または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>までどうぞ。

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