ぶらぶら人生

心の呟き

北浜から土田海岸へ

2010-04-04 | 散歩道
 近くの海まで散歩した。
 国道をそれて、海に伸びる小径を歩いていると、絶え間なく鶯の声が聞こえた。
 今年、初音を聞いたのも、この径である。
 私は、勝手に<鶯の径>と名づけることにした。
 傍の樹上の囀りに誘われて、梢を見上げると、たちまち鳥影は移動する。
 休耕田ばかりなのに、蛙の声も、どこからか聞こえてくる。鄙びた長閑さである。
 スミレの花を見つけ、足を止めた。
 <なにやらゆかし>の思いは、芭蕉の心に似て。

           
              崖のスミレ

           
              今日の北浜

 北浜から土田海岸に向かって、小さな丘を越えた。
          
           
              丘から見た土田海岸

               
         
            海辺近くの草原に咲いていた、小さな花は黄色。
            その色は、キンポウゲの艶やかさに似ていた。
            自分たちだけの地所を守って、群生していた。

 旧国道に向かって坂を上る。
 海原を見下ろすと、海の色がまだらである。
 海面の黒く見えるところには、若布が群生しているのだと教えてくれたのは、今は亡き同級生のMさんだった。一昨年のこの季節だっただろうか?
 海は、今年も季節の色をしている。人界は、いつも同じというわけに行かない。
 それが、春愁を深くする。
 ふと、視界に小船が現れた。若布採りの船である。

          

 <トランペットの丘>まで戻ると、落花し始めた桜の梢の間に、高島がうっすら見えた。      

          
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