昨日の朝、散歩の帰り道で、老犬と老猫、及び飼い主のご夫人にあった。
同級生、Uさんの家前で。
老犬は、散歩さえ大儀がり、ゆったりと横たわっていることが多い。
主のUさんも病気がちで、調子のいいときには、家から十数メートル離れた海の見える道路わきに老犬と佇み、同病相哀れむかのような姿で、遥か日本海を眺めておられる。散歩時に出会えば、私もその傍に佇んで、病状を尋ねたり、日常茶飯の話をしてひと時を過ごしてきた。
Uさんを見かけない日は多いが、老犬の方は、いつも家の前か、仕事場の中にいて、悠揚迫らぬ態度で、通りかかる私に視線をくれたり、無関心を装ったりして、寝そべっている。
今朝は、その老犬の傍に猫の姿もあった。遠くから眺めたときには、子犬が家族に加わったのかと思った。
傍に行ってみると、三毛猫であった。黒の文様が左目にかぶさって、決して美形の猫ではないが、老犬を恐れもせず、私を警戒して逃げ出すこともせず、Uさん宅のご夫人の足にまつわりついてじゃれていた。
この「ミケちゃん」も、老猫なのだそうだ。胸には涎掛けを当てられていた。歯槽膿漏で、絶え間なく涎が垂れるのだという。(写真)
子犬が洋服を着せられている姿は折に見かけるが、猫には鈴と決めていた。涎掛けをかけた猫を見るのは初めてだ。
難聴の老犬に劣らず、三毛猫も年老いているらしい。老いは、すべての生き物にとって、厄介なことだ。
犬や猫は、老いをどんなふうに感じるのか、人間の目には分からない。ただ、人間ほど老醜が現れず、<老けたなあ>という印象がないのは、羨ましい限りである。
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