ぶらぶら人生

心の呟き

九月は雨に始まり…

2013-09-01 | 身辺雑記
     昨日まで燃えていた野が
     今日茫然として、曇った空の下につづく。 
     一雨毎に秋になるのだ、と人はいう……… 

 
 そこまで口ずさんだが、後が続かなかった。
 中原中也の「秋」詩の冒頭である。
 
 ここ数日、雨の日が続き、昨日今日は、エアコンの必要もない。
 <一雨ごとに秋になるのだ>と呟きつつ、雨の名残りを留めた庭に出た。
 雨のため、大地や大気の熱気がおさまり、心地よくなった。
 心身が癒される。

 花壇に、ムラサキゴテンの花が一つ咲いていた。
 葉に艶がないのは、日照りが続いたせいだろう。

        

 シモツケが、三度目の花をつけた。
 裏庭には、ニラの花も咲き始めた。
 白い花が、茎の先端に、小さな花束を載せたように咲いている。
 健気である。

         

         

 今日もひと時、雨が降った。
 蚕が、桑の葉を食むような音を立てて。

 (と言っても、この比喩を実感できる人は、多くないだろう。
  国民学校5・6年生のとき、養蚕農家へ、勤労奉仕に出かけたことがある。
  下線を引いた言葉も、今の人には、無縁のもの。
  農山村で、戦中を生きたものの、哀しいけれど懐かしい想い出だ。
  美しい繭を紡ぐ蚕の、あの冷たい感触は好きになれなかった。)

 天気予報によると、4日ごろまで雨の日が続くらしい。 
 静かに降る雨なら、大歓迎である。
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