ぶらぶら人生

心の呟き

雑草の真実

2018-02-17 | 身辺雑記



稲垣栄洋(ひでひろ)著『雑草はなぜそこに生えているのか』
(ちくまプリマー新書・2018年1月10日初版第1刷)

イラスト・花福ござる


2018年2月11日「朝日新聞」の書評欄で、この本の存在を知った。
評者は、作家の佐伯一麦(かずみ)さん。
見出しは、「イメージ覆す合理的な生存戦略」となっている。

早速、アマゾンへ注文。
14日の午前に届いたので、河口の部屋に持参。
昨日読了。

改めて、新聞の切り抜きを読み直すと、文末に、
若い人向けに書かれた本書から、評者は雑文としての書評を書く心構えも受け取った。>
とある。

また、筆者も、
「はじめに」の終わり二段に、
<雑草が生えている場所を見てほしい。雑草が生えているのは、道ばたや畑、公園など、人間の創り出した場所である。そして、このような場所は、自然界にはない特殊な環境だ。じつは「雑草」と呼ばれる植物は、特殊な環境に適応して、特殊な進化を遂げた、特殊な植物である。
教科書どおり行かないのが世の常だとすれば、雑草は教科書からはみ出した植物である。さあ、雑草とはどのような植物なのだろうか。共に学んでいくことにしよう。

と、記されている。


さらに、第九章の後に「おわりに」が付け加えられ、次のように書かれている。
この本は、若い読者の方を想定して書いたものである。
若い皆さんにとって、人生は長い。
…………一段落(略)…………
そして、まっすぐな道などない。色々なことが起こるのが人生だ。しかし、それも人生の愉しみである。道ばたの雑草を見てほしい。まっすぐ育っている雑草など一本もない。雑草の生涯にだってさまざまなドラマがあるのだ。>

(註・下線はすべて、私が付したもの。)


たしかに、この本は若者向きに書かれたものである。
雑草の話でありつつ、未来のある若者の生き方ににも触れている。

しかし、老女にとっても、愉しい本であった。
雑草の話でありながら、考えされられることは、多種多様だった。
今さら生き直しはできないけれど、短い残生の身であっても、読んで無駄ということはない。

作者の稲垣栄洋さんは、語り上手、導き上手である。
老女の老いた頭には、少々難しすぎる専門的な話もあったけれど、読んでいる過程では「なるほど、なるほど!」と納得できるのである。
処処に挿入された花福ござるさんのイラストも楽しみをプラスしてくれた。




昨日、街に出るバスを待ちつつ、
道ばたに芽生えた雑草を眺める。


見上げた空には、
いたずら書きがしてあった。
コメント
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