今朝、浅い眠りの中で、方丈記の冒頭を思い出そうとしながら、正確に思い出せないで苦労していた。
<川の流れは絶えずして、…><川の流れは絶えずして、…>と繰り返しながら、どこか違うようだと感じているのだった。
目覚めて、そうだ、<ゆく河の…>だった、と思い出した。
<ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。>
大方の人が諳んじている方丈記の冒頭を、天井を見上げながら心の中で呟いた。
天災・人災により、未曾有の被害を受けた不幸な今年も、残る日が僅かとなった。
累積された、多くの哀しみを思いながら、方丈記の、この冒頭の章句の普遍性を改めて感じた。人災は、人の知恵で防ぎえても、天災は永劫に免れぬものであろうから。
葉陰に、その数は少ない。藪柑子の密やかな赤。
赤い実と言えば、万両も南天も、艶やかな実をつけている。こちらは数え切れないほど。
黒紫色の実もある。四つずつ行儀よく肩を寄せ合って。
シロヤマブキの実である。
短時間、庭を歩いただけなのに身が縮かむ今日の寒さだ。
冬らしさは好きだけれど、冷気が異常に身にしむ老いの身となった。
<川の流れは絶えずして、…><川の流れは絶えずして、…>と繰り返しながら、どこか違うようだと感じているのだった。
目覚めて、そうだ、<ゆく河の…>だった、と思い出した。
<ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。>
大方の人が諳んじている方丈記の冒頭を、天井を見上げながら心の中で呟いた。
天災・人災により、未曾有の被害を受けた不幸な今年も、残る日が僅かとなった。
累積された、多くの哀しみを思いながら、方丈記の、この冒頭の章句の普遍性を改めて感じた。人災は、人の知恵で防ぎえても、天災は永劫に免れぬものであろうから。
葉陰に、その数は少ない。藪柑子の密やかな赤。
赤い実と言えば、万両も南天も、艶やかな実をつけている。こちらは数え切れないほど。
黒紫色の実もある。四つずつ行儀よく肩を寄せ合って。
シロヤマブキの実である。
短時間、庭を歩いただけなのに身が縮かむ今日の寒さだ。
冬らしさは好きだけれど、冷気が異常に身にしむ老いの身となった。