筆先の雪の結晶

2016-01-25 10:48:49 | 雪の結晶撮影
 筆先に乗せた一片の雪の結晶、 僕の雪の結晶撮影は降雪の中から、この様な雪の一枚を細筆の先端で掬い採る作業から始まる。

 つまり、降雪の中にこの様な雪の結晶が無かったら、掬い取りようが無く、 写真撮影のしようも無いと言う訳だ。 


 これは安曇野に結構な量の積雪があった1月18日朝の雪だが、 六華の結晶が全く見えないのが判るだろう。 5日間の滞在中に降雪はあっても、 撮影対象となる美形の雪が降って来なかったのだ。

 そして安曇野での撮影を諦めて移動した草津温泉のユースホステルで雪を待った1月23日、 ついに待望の雪の結晶が舞い落ちてくれたのです。


 ドアバイザー上の雪
オリンパスTG-3:顕微鏡モードで撮影



 YHの敷地に駐車した車のドアバイザーに降リかかる「雪の大半が六華の結晶だらけ」そんな夢の様な時間が出現したのです。 もっともそれは午後の3時頃から4時半過ぎまでの短い時間ではありました。

 朝から降雪の無い状態が続いている中で 「午後の4時頃から降雪が見込める」 そんな予報を信じつつ読書しながら待ち続けると・・・ 午後2時半ごろから空気中をフワフワと舞い踊る様に降雪が始まりました。 室内に保管して置いたカメラを撮影装置に装着したり、 ステージ予冷ユニットには、雪に水を加えたシャーベットを詰め込み、 銅製ワッシャーのステージを冷却する。 そんな撮影準備を済ませて、ようやく撮影を開始したのは午後3時。 それから4時半頃まで夢中で雪を掬い取ってカメラのレンズの下に置き、





 被写体背後に置いたデジカメモニタに映し出す画像を選んで背景を替え、 そしてシャッターを切る作業を続けました。


 1時間半もの間、 外にいて冷えた身体を暖めるためコーヒーブレークをとりました、 ほんの20分ほどの事でしたが、外に出て見ると、 降雪の状態が変化してしまっていました。


 降る雪の大半が粉雪になってました。 まだ部分的に六華の結晶は混じっています。 しかしこの状態の中から結晶の一片をだけを掬い採るのは困難になるのです。



 外気温はマイナス5℃ほど、 この温度では特にステージの冷却などに気を使わなくても雪の結晶が溶ける事も無く、撮影にほとんど影響は出ません。 だから、 3種類のステージの特性を比較する実験なども意味が無いので、 意識してそれに取り組む事も出来ませんでした。 

 まあ今回の撮影行、 たったの2時間ほどの短い時間でしたがシャッターを切るのに夢中になれる時間が持てた事を誰にかしらんけれど感謝しています。
  
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