
予約していた CD が、11月20日のリリース当日に届いた。
それは11月19日にも書いた、吉田拓郎さんの新作 ミニ アルバム〝ラジオの夢〟。
(フォトにはスマホを構える僕の姿がうっすらと(笑))
「どの曲がいい」などど選べない ・・・ 全てが素晴らしい!
拓郎さん自身がブログ〝ラジオの青春〟に綴った曲紹介を読みつつ聴けば更に格別。
個人的には初夏のリリースが相応しいアルバムだと思う。
ブログの曲紹介にもある通り、オープニング1曲目 Address Unknown のエンディングは「ウルって・・なる」。
ささやかで豊かで壮大な SE を背景に、真夏の午後の白昼夢のようなコード進行と旋律 ・・・ 湧き上がる感情は「悲しさ」ではなく「切なさ」「儚さ」。
それは、かつて1年が、季節が、とても長く感じられた頃に目にした鮮やかな景色 ・・・ 肌を刺す熱気、海と空の碧、入道雲の白、夕立の澄んだ粒々、雨の香、草木の蒼、眩しい陽光。
勿論、熱狂的に受け入れられ様々な激論を生んだ70年代のアルバムとは違う。 そして、その後のアルバムとも違う。
「今はまだ人生を語らず」から年月を経て尚パワフルでありながら「今なら人生を語れるよ」と余裕で語りかけているような作品だ。
どの曲も「肩の力を抜いて、今を、表現を楽しんでいる」。
radiko じゃない、雷が発生すると「バリバリ」とノイズが入った本物のAMラジオが発する音のように、コンプ強め歪み多めで荒々しく音作りした曲もある。
そんな曲が、音が、警笛が流れキャッチコピー「旅のレストラン日本食堂」で締めくくられる CM に夢を馳せながら深夜放送を聴いていた海岸沿いの田舎町 ・・・ 生まれ育った家、当時過ごしていた室内、押し黙った空気感、時折かすかな低い音で響き渡る船の汽笛 ・・・ を想い出させる。(もう父も母もいないが…)
これは、僕の〝ラジオの夢〟〝ラジオの青春〟でもある。
歌詞は勿論、アナログレコードジャケットに込められた意味や「卒業宣言」もあってボロボロに泣けた前作〝ah-面白かった〟はアンサーソングも含む〝回顧録的作品〟でもあったが、この「ラジオへのありがとう!を込めた」という〝ラジオの夢〟は正しく拓郎さんの〝新作〟。
さてさて、これが本当に最後のアルバムになるのだろうか?
「今回ミニアルバム発売に合わせての通常的なプロモ-ションは行っていない 色々な番組からの、お誘いや取材の話しもあったが・・・すべてお断りさせていただいた」
と投稿する一方で…
「年内に仕上げなければならないビッグからの作曲依頼に没頭中」とも!!
ビッグって誰なんだろう??
これだけハイクオリティで心を打つ新境地を切り開いたのだから、ファンとしてはどうしたって更なる新作に期待してしまう♪