ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

生霊って恐ろしい

2018-07-12 15:27:37 | 日記
以前在籍した会社に、副社長の義兄という立場を活かして〝虎の威を借る狐〟を謳歌する御仁がいた。


そいつは暇を持て余していたのか、あちこちの部署へと顔を出してはパワハラ含みの業務妨害を行っていた。 勿論、僕に対しても一度だけアプローチを試みたことがある。

一方、僕はかつて担った、一般的ではない個人や組織相手の防波堤業務による後遺症で感受性の麻痺があり、加えて品のない口調、生来の声量で対応したところ、そいつは何やら意味不明の言語で怒鳴りながら離席してしまい、その後は僕のことを避けるようになった。


そいつは嘘吐きで、ひとの成果を 「俺の成果」 と嘯く人罪だった。 腰巾着が犯した不正を知った社員にあらぬ疑いをかけ恐喝し隠蔽を図ったことも。 但し、これらはそいつが会社を去ってから知った話。

ある日、役職定年を迎えたそいつは久々に僕の席の前に立ち、気持ち悪いほど丁寧な挨拶をして去っていった。 オフィスのあちこちから 「伸び伸びと仕事ができるようになった」 との声が上がっていることを、管掌部署のメンバーが教えてくれた。


その日から1ヶ月も経たずに、そいつは亡くなった。 本件は朝一番の会議でも報告された。

会議が終わり、退場する列は小声で 「あいつ死によったか」 などと言いつつ顔を見合わせ笑っていた。 死者を冒涜するなど許される行為ではないものの、かように非常識な反応を誘発するほど、皆に嫌われていたということなのだろう。


あの時、耳にした 「生霊って怖いな」 という言葉は今も忘れない。 何十人、何百人の深い恨み、強い憎しみのエネルギーは、計り知れないパワーと成り得るのかも知れない。






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