ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

田舎老舗の厄介

2017-12-21 12:44:29 | 日記
何年か前、ある会食で訪れたそこは、有名な作家の物語にも登場する由緒ある店だという。

内装は昔懐かしい旅館の如く。 古いトイレは扉の立て付けも悪いが、清掃されていて不快までは至らない。 仕事上のお誘いで、しばしば足を向けざるを得なかった都内の料亭とは違った趣がある。

親族だけの宴は深呼吸のような気楽さ。 酔いが進むまま、幼少の頃の粗相さえ話すことができる特別な空間だ。 料理もやや濃い味付けながら、これはこれで肴になる。

ところが、その事件は起こった。

止め椀の赤だしがおかしい。 色こそ付いてはいるものの、匂いも味も薄っぺら。 驚いて、隣席のものを味見させてもらうと、こちらはごく普通。

そう、出汁が入っていないのです。 椀毎に味が異なるということは、この〝老舗〟とやら、即席出汁を使っているのだろう。 もしかして粉末だったりして(笑)

人通りもない片田舎の会席も、決して安くない。 後で料金を確認した途端、〝みすぼらしい内装〟〝底冷えするボロく不潔なトイレ〟という本来の姿が見えてくる不思議。 競争ある都市部には存在しえない凄まじさである。


店の主人が誇らしげに挨拶をした。 正に〝裸の王様〟。 田舎の老舗って厄介だ(爆)




コメント
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