予感通り僕は “ 想い出のセレナーデ ” にハマっている。 憂いに満ちた旋律は Paul Mauriat のテイストを分かり易く取り入れたアレンジと相俟って、心を揺さぶる。
当時の姿を見たくて YouTube で検索すると、紅白でのテイクがあった。 どうやらモナリザが日本で公開された年らしく、司会者は「モナリザと言えば微笑み、そして微笑みと言えば天地真理さん」と紹介した。
緩慢なテンポで曲が始まる。 黒紫の衣装でステージの中心へと歩く天地真理は微笑みとは無縁の物憂げな表情で歌い出した。 そんな中、 最終章で大切な想い出をいとおしむように数秒だけ見せた微かな笑顔。 それはとても悲しい風景に見える。
画像はそんな瞬間を切り取ったもの。 “ アイドルは消耗品 ” などと言われた時代 ・・・ 当時何が起こっていたのか知る由もないけど、演技とは思えない虚ろな表情は、辛い境遇を精一杯訴えていたのかも知れない。