現在の会社へ転職したのは随分前の話。 前職の研究職は、時には昼夜を問わない孤独な作業、時には限られたメンバーとのチームワークで成立する。 ところが新しい職場では、それまでと全く違う世界が繰り広げられていた。 毎日が斬新であっと言う間に過ぎていく。
早く仕事を覚えたくて、誰よりも早く出勤した。 朝、裏口から入ってスイッチを入れると、薄暗い空間に曲が流れ出す ・・・ “ I STILL HAVEN'T FOUND WHAT I'M LOOKING FOR ” “ DON'T DREAM IT'S OVER ” “ BREAKOUT ” “ WANTED DEAD OR ALIVE ” 。
裏口正面には、線路への侵入を防ぐ柵を隔てた目前に駅のホームが見える。 出て右側には犬小屋。 正面入口前には狭い道路。 僕はこの道を何度も歩いた。 なぜか暑い日の記憶の方が鮮明だ。
当時好きだった曲はだいたい買い集めたけど、ここ数年、ある曲が気になっていた。 寂しげな伴奏、ドラマチックな展開、女性ボーカルのソフトで太い声。 何より、哀愁に満ちたギターソロが素晴らしい。 たまにネット検索するものの、見つからない。
偶然、少し前のTV番組で耳にしたことで、いよいよ思いは強くなり、 そして一昨日、 年代検索でようやく再会を果たした曲 ・・・ それは “ HEART ” の “ ALONE ” 。 当時、全米で第3位だから、日本でも超有名だったはず。 僕はあの日、あの場所で、この曲を聴いていた。
さてさて、当時の曲でもう1つ気になるヤツがある。 それは、ミュートした3、4弦あたりで始まる切れ味のいい正統派ロックだけど、ブラスセクションも入っていて、ひょっとするとプロ野球中継の合間に曲の一部が使用されていたかも。 でも未だに分からない。 困ったもんだ。(笑)