Mars&Jupiter

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レスピーギの組曲「鳥」を聴きながら、横浜から星川まで歩く

2007-09-28 09:42:19 | 古典~現代音楽イタリア編
昨日は、横浜から星川まで歩く。
途中聴いた曲は、1879年イタリア生まれのレスピーギの作品。
彼は1913年にローマのサンタ・チェチーリア音楽院の教授に就任した。
そしてそれ以後、昔の作曲家の作品を調べるうちに、
その中のいつくかを編曲して管弦楽曲にするようになった。

組曲「鳥」は、1927年に作曲され、その曲の素材は、
17・18世紀イタリア・フランス・イギリスのクラヴサン曲から採った。
この時代の作品にも様々な描写音楽があるのだが、
鳥に関する描写音楽を素材に使い、
管弦楽化することで、クラヴサンでは表現しきれないものを
表現しようと試みたようで、曲は「前奏曲」から始まり、
「鳩」、「めんどり」、「夜鶯」、「かっこう」の5曲で構成される。

「前奏曲」は、17・18世紀の作曲家とは関係ない独自の主題で始まり、
中間部はこのあと出てくる各楽章の主題を予告している。
最初の主題がそのあと再現され、三部形式のこの曲を閉じる。
「鳩」は、フランスのガローのクラヴサン曲のようだが、
私は聴いたことがないので原曲はわからない。
穏やかなそして甘い旋律の流れる作品である。
「めんどり」は、有名なラモーの「めんどり」からとっており、
確かに原曲のクラヴサン曲とは違った魅力を生み出している。
曲は原曲に忠実にそのまま進行していくが、
レスピーギは各楽器の良さを引き出していると思う。
「夜鶯」は、イギリスで流行したヴァージナル音楽が原曲らしい。
この作曲者不詳の原曲は聴いたことがないが、
愛らしいフルートの旋律や、チェレスタの響きが心地よい。
「かっこう」は、イタリアのパスキーニの作品が原曲らしい。
かっこうの模倣したこの原曲も、私は聴いたことがない。
かっこうの声を幾度も繰り返すところは印象的である。
最後は「前奏曲」の最初に登場した主題が現われ、全曲を閉じる。

よく考えてみるとクラシック音楽では、
この鳥の声を模倣した作品は意外に多い。
ルネサンスやバロック音楽はもちろん、
モーツアルト、ベートーヴェンだって、
マーラーだって、ディーリアスだって
レスピーギ(「ローマの松」に出てくる)だって、
ほらほら考えればいろいろ出てきそうだ。
そして、鳥の音楽といえば、きわめつけはメシアン。
ピアノ曲の「鳥のカタログ」はもちろんのこと、
管弦楽曲でも「異国の鳥たち」とか「鳥の目覚め」など
鳥好きの彼は日本の軽井沢に滞在した時にも、
周囲の鳥のさえずる声にきっと耳を済ませていたに違いない。

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