Mars&Jupiter

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ブラジルとミヨー、そして屋根の上の牛

2007-06-08 09:28:41 | 古典~現代音楽フランス編
おとといは歓送迎会で歩く時間がなかったので、
昨日は横浜から和田町まで歩いた。
聴いた音楽はミヨーのバレエ音楽「屋根の上の牛」と
バレエ音楽「世界の創造」である。

バレエ音楽「世界の創造」は高校の時にレコードを買い、
聴くようになったのだが、今聴いても傑作だと思う。
ジャズ音楽の影響を受けたこの曲は、
フランス音楽とジャズの良さをうまく融合させている。
なんといっても最初のサックスが吹く旋律がいい。
その混沌とした感じが「世界の創造」という題名にあっている。

「屋根の上の牛」は随所にブラジル民謡やタンゴが現れる。
ショーロのような曲想も現れ、感傷的なメロディが流れるが、
その感傷的旋律に、不協和音という強烈なスパイスを効かせる
ミヨーの巧みなオーケストレーションによって
楽しく、ゴキゲンな音楽になるのである。

1919年ブラジルからフランスに戻ったミヨーの脳裏には、
ブラジルでの楽しい滞在の記憶がよみがえったのだろう。
その作品の原曲となるヴァイオリンとピアノのための
「愉しく、常に動いて」という作品以外にも
ブラジルでの想い出を音にした作品が作曲されている。

このバレエ音楽が発表されたのは、1920年である。
初演時は出演者がみんな顔の数倍もあるような仮面をかぶり、
その奇抜な演出に聴衆が驚き、スキャンダルを巻き起こし、
サティの冗談音楽の一派であるとして、
当時の批評家から批判されたらしい。

それにしてもこの曲の旋律は印象的なので、
2・3日の間は頭の中に何度も浮かんできた。
もちろん初期の作品だからということもあるが、
彼の交響曲に比べれば、簡素でわかりやすい。
やっぱり、ミヨーの管弦楽曲はいいなあ。

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