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ファーディ・グローフェの組曲「ナイアガラ大瀑布」を聴く

2014-05-20 06:11:04 | 古典~現代音楽北アメリカ編
咳が続き、いまだウォーキングどころではありません。
今回取り上げるのは、1892年生まれのグローフェが、
1961年に作曲した組曲「ナイアガラ大瀑布」である。
彼の略歴は以前述べたので省略する。
今回聴いたCDはウィリアム・T・ストロンバーグ指揮、
ボーンマス交響楽団による演奏である。
第一曲「瀑布の轟き」は、瀑布から落ちる水が作り出す轟音を描写している。
金管楽器により力強い旋律が奏でられて、木管楽器が落ちる水を示す。
第二曲「デビルズ・ホールの大虐殺」は、フレンチ=インディアン戦争後、
イギリスとインディアンの間に起きたポンティアック戦争での史実を扱っている。
セネカ族やオタワ族などがナイアガラの滝に向かうイギリスの補給部隊を襲い、
70人近くの兵士がこの戦闘で殺され、イギリス側に大きな打撃を与えた。
このことをイギリス側がデビルズ・ホールの虐殺とよんでいるのだ。
イギリスから見ればフレンチ=インディアン戦争で勝ったのだから、
フランス人たちがいたところはイギリスのものだという主張になるのだが、
これに対し、先住民は自分たちの土地であることを主張し、
そのことから両者の間にこの戦争が起こったわけで、
その忘れてはいけない歴史の場となったことを伝えている。
弦楽器の揺れるような旋律の上で、オーボエが旋律を奏でて始まる。
その旋律は心細く寂しい感じの旋律で、その旋律は繰り返されていく。
そのあとは戦闘を思わせる激しく荒々しい感じの音楽となり、静かに最後は終わる。
第三曲「新婚旅行者たち」は、ハネムーンの場所ともなった滝の姿を描写している。
ロマンティックな旋律が弦楽器により奏でられて始まり、最後は盛り上がって終わる。
第四曲「ナイアガラの力-1961」は、水力発電所としてのナイアガラを描いている。
ナイアガラには1961年に水力発電所が設置されるようになった。
不安を思わせるような旋律が奏でられた後、金管楽器は堂々とした旋律を奏でる。
その後の激しく荒々しい感じの音楽は、発電所建設の厳しい様子を描いているのだろう。
理想と現実を示しているか、その後は建設後を表しているのか明るい音楽になる。
水力発電所としての力を示すかのように高らかに金管楽器が旋律を奏でて最後終わる。

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