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Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

「シャンソニエ・コルディフォルム(ハート型のシャンソン集)」を聴きながら、西谷から三枚町まで歩く

2010-03-20 08:28:02 | 古代・中世・ルネサンス音楽その他の作品編
昨日は西谷から三枚町まで歩きました。
途中聴いたのは、「シャンソニエ・コルディフォルム」である。
ハート型のシャンソン集ともよばれるこの作品は、
15世紀(1460年頃から1470年頃)に書かれた
多声による世俗歌曲を集めた写本を指している。
聴いたCDは、コンソート・オブ・ミュージックによる演奏である。
3枚組になっているうちの1枚目を聴いたので、
そのうちの6曲ばかり選んでここでは触れておく。
第1曲「いまはもう悲しくて ああ!とよぶばかり
(Hora gridar ‘onime’)」は軽快な明るい感じの曲である。
しかし、歌詞の内容は大切なあの人に会えないと嘆き、
ああとため息をついているのだから、決して楽しい曲ではない
恋することからくる切ない気持ちをコミカルに歌っている感じである。
第2曲「神様はよくご存知です(Ben lo sa Dio)」は、
第1曲とは対照的で、神への信仰心が表れている。

第4曲「優しい奥方 どうか私を捨てないで下さい(Zentil madona)」は、
タイトルからわかるように貴婦人に対する愛の歌のようだ。
なお、この曲を作曲したジョン・ベディンガムは、モテットやシャンソンを作曲し、
当時のヨーロッパの中で知られていたイギリスの作曲家で、1460年頃に亡くなっている。
このように多くは愛の歌であり、ハート型のシャンソン集というのもよくわかる。
「ああ さすらう光よ ああ きらめく光よ(O pelegrina luce)」は、
第6曲と第12曲に歌われる作品で、恋に苦しむ人の歌で、
第6曲はカウンタテノールと2本のフィドルとハープで奏される。
これに対し第12曲はソプラノとテノールハープと、
バス・リュートで奏され、この違いを聴き比べるのもいいが、
切ない気持ちは第6曲の方が伝わる感じもする。
第13曲「おお、愛する哀れな男たちよ(O menschin’inamorati)」は、
踊りに狂い、恋する哀れな男たちへの歌となっている。
多声による世俗歌曲を集めたこの歌曲集は色々な趣向が凝らされている。
コンソート・オブ・ミュージックによる演奏もいい。
歩いている間にあっという間に1枚分を聴き終えてしまった。