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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

瀬島龍三が死んだ

2007-09-04 | FIFA

01_11 瀬島龍三が死んだ。95歳だった。しばらく見ないのですっかり失念していた。戦前戦後を通じてのの最後の大物黒幕である。本当の昭和史を語る時、彼の存在と影響力を知らずに説明はできない。

瀬島龍三は戦前は軍隊の中枢にいて、戦後は経済大国日本の中核となった商社の中枢にいた。思想的に無貞節でありながら存在感を失うことのなかった、まったく奇妙な人物であった。戦前は大本営の参謀でありながら、国粋主義者としての理念が乏しく、シベリヤ抑留で簡単に転向を見せ、戦後はエコノミックアニマルにその人脈を駆使して転身して、金もうけに奔走するのである。

瀬島龍三は、A級戦犯でありながら戦後見事に政界に復活した岸信介の狡猾さを、はるかに凌ぐ存在であった。昭和天皇の絶大な信用を得ながら、政界への影響は臨時行政調査会などで中曽根内閣で頂点に達し、小渕恵三内閣までまで影響力を持ち続けていた。

伊藤忠商事に、シベリヤ抑留から帰るとすぐに入社し転身した。彼は、自らの人脈を駆使し戦後補償を強引に引き出し、その受け皿を伊藤忠商事にさせ、膨大な利権を得てその後の地歩を築くことになるのである。

彼の人生は、物語としては非常に面白いのであるが、瀬島龍三や児玉誉士夫や小佐野賢二たちのような陰の存在が、自民党や政界を牛耳って、隠然とした影響力を持っていたことが、この国の民主主義の健全な発展を阻害してきたと言える。

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