
天皇即位の祝賀の行事が目白押しであるが似たような内容なのでよくわからない。即位の祝賀パレードが行われている。秋篠宮に男子が産まれるまで、女性天皇の危機感がかなり強くあったが、落ち着いてはいるものの論議は続いている。
皇国史観に囚われている日本会議と安倍晋三とその一派は、天皇は男でなければならないと決めている。英国は現在女王であるが、世界で男にこだわる王族は日本だけである。これまでは側室という、妾と異なる男の種をもらう”畑”だけの存在としての女性がいた。側室を設けることのできない現代社会にあって、皇室から男が消えていなくなる可能性はなくはない。
家畜ではすでに判別精液というものがあり、90%程度の確率でメスが産まれる精液がつくられているが、そうした精液で人工授精でもするがよい。多分皇国史観は天皇を神と崇めるが、男系に固執する彼らがこうした生化学的な判断を容認するか疑問である。
この男系という考え方は、日本の家制度は戸籍簿に反映されている。戸籍簿には世帯主が決められている。禁治産者などでなければ、男性が世帯主、戸主となる。これを踏襲しているのが、農業協同組合である。農協の組合員は世帯主に倣いほぼ全員男である。婚姻によって女性は男性の家に入り苗字も変えることになる。女性が家に残って男性を婿に迎える場合もあるが、世帯主は男性になる。男系社会は日本の家制度の根幹でもある。男系は皇室に限ることではない。
明治憲法では、日本は万世一系の天皇が統治するとされている。皇室は万世一系であって、永久に一つの系統が続くとされている。このことが天皇は男子でなければならないということと重ねることができない。年長者が継ぐというのも生化学的に優位性などない。
織田信長の家を継ぐというフィギアースケーターがいるが、仮に25年で3人の子供を作ったとして、450年ほど経過するとその遺伝子を継ぐ者は、計算上は10億人を超える。ランダムにあらゆる後輩が均等である場合であるが、地域的な制約や身分間の問題など交配の阻害要因が多くあるため、この数字はかなり引いて計算されなければならないだろう。仮に半数もしくはその半数としても、生化学的には家系など何の意味もない。
しかしながら、社会的な契約が夫婦間で存在するように、文化や伝統などという枠をはめる意味しかない。男系である事や年長者が優先されることもも同じである。万世一系を生化学は擁護しない。
皇族の必要性を個人的には感じないが、強引になくすまではないと思う。天皇が相も変わらず政治的に利用される危険性にさらされているし、皇国史観が日本を今でも歪にする働きもある。女性天皇がそうした動きに何らかの歯止めになれば、皇室にとっても意味があるというものである。