安倍晋三が政権を執って、今日で6年になるという。恐ろしい限りである。国内ではアベノミクスはすっかり破たんしており、外交政策はことごとく口先だけでその場限り、何一つとして成功していない。憲法違反の安保法制の成立が安倍晋三のカンフル剤となっている。今更憲法などいじらなくても、海外でもすっかり戦争ができるようになってしまった。
その典型が、辺野古新基地で沖縄県民を騒がせておき、奄美から辺野古までの西南軍事シフトが。着々と建設されている。上の写真は奄美大島の大熊地区建設の対空ミサイル基地である。次の写真は同じく瀬戸内地区の対艦ミサイル基地である。アマミノクロウサギの生息状況への事前調査も何もなく開発された地域である。
菅官房長官流の言い方では粛々とやっているのだろうが、辺野古新基地建設をおとりにした巨大広域の軍事拡大である。安倍政権は今年度予算として、奄美市名瀬と瀬戸内町の陸上自衛隊警備部隊やミサイル部隊の施設整備費など約61億円を計上している。
この他、奄美関係では航空警戒管制多重通信網の複ルート化に向けた、施設整備費として6億7千万円を計上している。お金を担いでやってくる、軍事施設に小さな行政はないも言えない。安全保障や国防に賛同しているわけではない。政府の周到なやり口である。
西南シフトの一環が空母の所有である。空母でありません。ヘリコプター搭載型護衛艦と言い続ける誤魔化しもやがて、安倍晋三なら戦闘機搭載型護衛艦というであろう。
これは宮古島に建設中の基地である。平坦な島のゴルフ場に作られた基地である。水源地の配慮もなく、飛ぶようなものは置かないと住民に説明していたが、ヘリコプターは置くとのことである。やがて戦闘機の発着もあるだろうが、建設にあたって住民には説明のなかったことである。ジェット燃料施設も用意されている。島嶼防衛用高速滑走路部隊・2個拘束滑空弾大隊が新中期防で新たに打ち出されているが、宮古島にしか来る所はないだろう。
宮古島の住民たちは安全保障などと言う言葉とは裏腹に、基地建設により標的にされることに不安を抱いている。
当地の現根室市は、太平洋戦争終焉前に空襲を受けている。千島列島を目前にした軍事施設がたんまりあるためである。あまり知られていないことであるが、根室市は日本で比率として一番空襲を受けた市街地である。こんな僻地が徹底空襲されたのは、軍事施設を多く抱えていたからである。
安全保障と平和は無関係である。むしろ人類はこれを対峙するものとして経験してきた。愛国心は平和への心を盲目にさせる。平和を軍事施設が保証するなら、世界でアメリカが最も平和な子国家であるはずだが、現実は逆である。