昨日は七夕で、外に出て天の川が見えたとか、織姫と牽牛が一年の出会いを楽しんでいるとかで、にわかロマンに浸る人が新聞などの報道で煽られてた。
この伝説は中国の発祥で、東洋の各地でいろんな形で伝えられている。
しかし、七夕伝説は、新暦(太陽暦)の七夕では、ちゃんと解釈できない。
七夕伝説は夏の暑い日中から、陽が落ちると外に出て涼むたために用意された言い伝えである。上弦の七日月が天の川の端にポンと出る。その七日月が、深夜に向かって天の川を渡るのである。
上弦の七日月を舟に見立てて、天の川両岸の星牽牛(多分わし座のアルタイ)を、織姫(多分こと座のベガ)に合わせるという、天空のロマンを描いている伝説である。
太陽暦の昨日に天を仰ぎ、二人の逢瀬を描いてもどうかと思われるが、盛んにマスコミでは七夕伝説を煽っている。
太陽暦の7月7日では、七夕は何の意味もない。ちなみに昨日は、9日であったが明るすぎる。それに早くから月が出すぎる。
町中が明るくなって、町の人は空を見上げることがない。星が見えないからである。今日の月は何日かと聞いても答えられる人はほとんいどない。
さらには、金色夜叉の名台詞「今月今夜のこの月を、私の涙で曇らせてみせる」といった、寛一がお宮を蹴飛ばす像が、熱海にあるが、今夜の月は1月の14日である。もちろん旧暦である。
にもかかわらず、熱海では太陽暦の14日に、何とか祭りをやっている。月がどのようになっているかは、お構いなしで寛一は曇らせるのである。
現代の多くの人たちは、月の満ち欠けを知ることなく、日々を過ごしている。金環食や日食や七夕の時だけ空を仰ぐのは止めて、日々の暮らしの中で観察してはどうか。古代人のロマンが甦るはずである。