そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

盗まれた革命

2012-01-31 | 政治と金

1月22日にエジプトで選挙があった。中東の春の嵐を受けて失脚した、ムバラク以後
の中東最大の国家の動向が注目されたところである。Photo_2

インターネットで起こした中東の春と呼ばれる原動力になった、若者や民主派は見るも無残な結果になった。イスラム勢力が圧倒的な勝利を収める結果になった。

獲得議席は、自由公正党(ムスリム同胞団支持)234(47.2%)、ヌール党(イスラム回帰主義党)123(24.7%)、ワフド党(リベラル派)38(7.6%)である。

ムバラクにいいように利用された、国内最大のムスリム同胞団の支持する自由公正党が第一党になった。彼らは、ムバラク下では従順であった。地道な福祉活動を続けてはいたが、中東の春の嵐とはほとんど無縁の存在であった。

ネットで呼びかけて街に出て弾圧されながらも、懸命に闘って革命のSutoren_revolution原動力になった、リベラル派の若者や女性の姿はほとんどない。更に、ムバラク失脚以後、暫定的に政権の座にあった軍が、デモを繰り返す民主化勢力を弾圧し始めた。

中東の春は、3カ国(4か国)の政権を転覆させた。自由を求める若者たちではあるが、共通の理念があるわけでもなく政治的、社会的な活動をやってきたわけではない。結局大人たちに盗られてしまった。

エジプトは今後しばらくは様々な混乱が起きることになると予想されれる。自由を求めた結果であるが、社会主義諸国の崩壊と酷似した過程を今後歩むことになるだろう。

周辺の国家も同じような混乱した時代を経験することになる。いまだ政権に居座り続ける、シリアのアサドはこうした混乱を恫喝を武器にしている。

エジプトの最大の国際的課題は、ムバラクが蜜月関係を結んでいたイスラエルとの関係である。イスラム派の自由公正党はしばらくは、諍いを起こさないとは思われるが、イスラム派だけで70%にもなる国民の支持をどう動かすかが不透明である。

人は統率された安定よりも自由を欲するものである。

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羅臼港

春誓い羅臼港