そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

EUのジレンマ

2012-01-24 | 政治と金

ユーロの信用不安の先行きが見えない。今やEUの盟主になったドイツが動かないからである。ドイツは、ずさんな国家財政を支える意思はないと、メリケルが明言してPhotoいる。メリケルは国内で、73%の高支持を得ている。

そもそもEUは、2度の大戦を経験して、不戦のために国家間の格差をなくすのが目的の、連邦国家を目指していた。その先駆けとして、共通通貨を導入したのである。共通の通貨であっても、財政は各国が今まで通り組んでいた。

クロチアがEU加盟を決めたので、28カ国になったが、その盟主にドイツが君臨する結果になった。2度の対戦の火元は、いずれもドイツである。極めて皮肉な現状である。

ドイツは、ユーロ共通国債の発行を拒否している。メリケルは、各国の財政立て直しを前提に、罰則規定、自動制裁、金融取引税、銀行税、空売り禁止などを、少なくともEU内で行うことを提案している。Photo

もう一つ皮肉なことに、信用不安によるユーロ安のおかげで、ドイツの車などの輸出品が好調なのである。ドイツは、今でも3%の経済成長を遂げている。こうした背景で、ドイツの国債はフランスなどがランクを落とされても、3Aの最高ランクを守っている。

ドイツが、加盟国に強い経済的規制を要求し続けるなら、EUの構想そのものも崩壊しかねない。仮にそのような事態になると、2度の大戦の責任国として、各国が動き出すかもしれない。メリケルが、EUの存在意義を認めるなら、結局は自国の論理ばかりは言い続けられないだろう。

左のフォトアルバムに<オオワシの受難>アップしました。

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