そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

新自由主義の破綻 その2

2008-10-13 | 政治と金

今回の金融危機の起きた背景は、金融がすでに世界中に張りめぐらされらされグローバル化していることである。お金は行き先を求めて、石油の先物買いに走ったり、穀物への投機を行ったりしてきた。

金融はこうした不誠実、反社会的な動きを活発化することで、本来すべての裏付けにならなければならない、信用を失ってしまった。これを容認したのが、新自由主義である。

新自由主義は、活力を失いつつあったソビエトを片方で見ながら、アメリカのレーガンとイギリスのサッチャーによって強力に推し進められた。虚構の経済体制で塗り固められていた、ソビエトの崩壊は新自由主義者たちにとって、格好の餌食となった。

市場原理を前面に出す新自由主義の理念に最もそぐわないのが、福祉であり農業である。生産性とは一線を画さなければ、実態が見えなくなってしまう事業や産業は、新自由主義者にとっては厄介なお荷物でしかない。

WTOのような、経済原則だけで交渉をすることが、食糧の偏りや貧困問題や環境問題を引き起こしてきたのである。世界各国の政治的支えによって、不況はしばらくは続くことになるかもしれないが、一応の経済的な危機は脱することになるであろう。

それは、結局は貧者が富めるものを救う矛盾をも意味する。金融危機の原因を新自由主義の破綻として位置付けない限り、またこのようなことは起きうることなのである。

そして農業と環境悪化と貧富差の拡大は一層進行することになる。

コメント (1)
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