アメリカのここ数日のトップニュースは、イラクでも北朝鮮でもない。年老いた富豪と結婚して、その爺さんも息子もなくなって4ヶ月の子どもを残してど派手な元モデルの本人も不審な死に方をしたことと、女性宇宙飛行士が不倫の相手をとっちめるためにオムツをして1500キロも走って追いかけたという、スキャンダルニュースである。
増派による掃討作戦をあざ笑うような、開戦後最大の死者を出した爆破事件のイラク情勢でもなければ、目いっぱい北朝鮮にエネルギー支援をねだられたことでもない。
日本の久間大臣が、イラク戦争に対して誰もがまともと思った発言に対して、不快感を示して会談を拒否したり、このような女性のスキャンダルを騒ぐのは、行き詰まりになっていることから目を背けたい心理のためかもしれないが、正常とは思え ない。アメリカはそれどころではないはずである。
その一方で、世界第2の産油量のロシアのプーチンは、世界1位のサウジアラビアを訪問 している。ロシアが中東に影響力を見せ始めたのである。また中国は、着々とアフリカの各地域に地保を固めている。胡主席がアフリカ歴訪から先ほど帰国したばかりである。
イランは、核開発を平和利用にすると、アフマドネジャド大統領は、核放棄を拒否する演説をし、国民の支持を得ている。ソマリアではアメリカの空爆で、かえって国民の反感をかっている。イラク国内では、クルド人を巡る動きが新たな火種になりそうである。
暢気なスキャンダルを扱うアメリカは、相対的な位置を落としつつある。これが力の政策への警告ならば、歓迎すべきことと思うがどうもそのようでもない。
羅臼港
春誓い羅臼港