9.11の当時多発テロのアタックを受けて、ブッシュがアフガニスタンに侵攻したのは一月後の、10月17日である。もうアメリカはアフガニスタンで、10年以上戦争をやっているのである。世界最強の軍隊が、こんな国土の狭いところで10年も最新兵器を振り回している異常なことである。
ブッシュを引き継いだオバマではあるが、いきな り3万人もの増派をした。撤退のための増派と、ノーベル平和賞を受賞した大統領は弁明していた。戦争好きのブッシュの尻拭いの感はなくもないが、増派には同情などできるわけもない。今日16日にブッシュは、来年7月から撤退を始めると発表した。2014年末には全て、アフガニスタン軍が治安に当たるとい うことである。
オバマは、「アフガニスタンのあらゆる地域で『タリバン』の弱体化に成功した」と、現実離れた内容を発表した。世論調査では、アメリカ国民の70%以上がアフガニスタンでの戦闘行為は、無意味であると思っている。こうしたことから、若いオバマは再選されることを前提にすると、撤退は実行されることになると思われる。が、引くも残るも大きな論議になることは間違いない。
オバマが弱体化したとするタリバンであるが、敵が撤退の期日を決めるのであれば、あえて戦いをすることはない。待てばいいのである。アフガニスタンでのアメリカは、一部の支持があったイラクとは明らかに異なる。無人偵察戦闘機に対する感情のように、決して受け入れられているわけではない。
アフガニスタンのベトナム化とは、こうしたところからも言われるのである。今では、オサマ・ビンラディンの話など全くされなくなった。アメリカにとってこの戦争は、9.11の報復であったはずである。アフガニスタンで、アメリカやEUの軍隊に殺された人たちは、意味が未だに成り立つのか?あるいは、アフガンで死亡した戦士たちは、国家の安全のために死んで行ったと、今でも言えるのだろうか。ベトナム戦争は、いくばくかの言い分がアメリカにもなくはなかった。しかし、この戦争は全く愚かな戦争であったといえる。亡くなられた双方の人たちには言葉もない。