半透明記録

もやもや日記

お知らせ

『ツルバミ』YUKIDOKE vol.2 始めました /【詳しくはこちらからどうぞ!】→→*『ツルバミ』参加者募集のお知らせ(9/13) / *業務連絡用 掲示板をつくりました(9/21)→→ yukidoke_BBS/

いま読んでいるところの本

2009年05月22日 | 読書ー雑記


こういう記事を書いてしまうと、どういうわけか、全部読み終わった後に感想を書きづらくなってしまう傾向が私にはあるのですが、湿っぽい天候で調子が上がらないので、とりあえず書いてしまいます。

いま読んでいるのは、だいたいこの4冊。


*『夢小説・闇への逃走 他1篇』シュニッツラー(岩波文庫)

ずっと前から持っていたけど、まだ読んでいなかった本書にいよいよ手を付ける。
「死んだガブリエル」と「夢小説」は読んだ。あとは「闇への逃走」。結構、というか予想していたよりもかなり面白い。シュニッツラーという人はどうも生活とか男女の関係などに対して憂鬱になりすぎているように思えますが、いかが。私には他人事とは思えないくらい、主人公の男たちは現実の世界に失望するあまり、激しく夢と幻想へと傾いちゃってるんですけど……; それにもかかわらず、幻滅しきった現実を手放すほどの勇気も持てず……。
うーむ。憂鬱です。だが、そこが面白い。


*『ウィーン世紀末文学選』池内紀編訳(岩波文庫)

読むのは多分3回目。でも、いつものようにきれいさっぱり、1ミリも覚えてないです! 素晴らしい忘却力!!
で、ここにもシュニッツラーの作品が収められています。やっぱりそこはかとなく暗い…(^o^;)
ヘヴェジー「地獄のジュール・ヴェルヌ/天国のジュール・ヴェルヌ」が猛烈に面白かったです。地獄篇が特に笑えます。こういう地獄下りのネタって私は好きです。ラーゲルクヴィストの『地獄へ下るエレベータ』も面白かったしなぁ。アナトール・フランスの『ペンギンの島』にも愉快な地獄の場面があったし(しかし、あれは天国の描写のほうが面白かったかも。神様のいい加減さには思わず爆笑)。
ヨーゼフ・ロートの「ファルメライヤー駅長」は衝撃。これについては、あとできっと考察したいところです。しかし毎度のことながら、これほどに印象的な作品を読んでおいて、私はどうして忘れ去ってしまうことが出来るのか…厳しく問いただしたい気分。


*『聖アントワヌの誘惑』フローベール(岩波文庫)

…ギャグじゃないんですよね? と、つい言いたくなってしまうところもあるくらい面白い。なにかにつけての聖アントワヌの恨み節が…! 貧乏過ぎ! 孤独過ぎ! でもまだ最初の方なので、たぶん読み進めて行くと、大真面目になるのだろうな。と期待。


*『世界文学大系93 近代小説集』(筑摩書房)

かなり多くの短篇が収められているので、なかなか読み切れません。図書館で借りてきた本なので、返却期限が間近に迫る今、急いで読んでしまわないとなりません。ロシア、北欧、南欧、などなど盛りだくさんです。しかもそれぞれが結構良いセレクションです。こういうお得感のある本って好きですよ。



さてと、雨も上がるみたいだし、がんばって読まないと!