農業じゆう人

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袋麺、カップ麺「破る」勢い

2024年05月26日 12時40分46秒 | 
即席袋麵の販売が堅調だ。 物価高で多くの食品や外食の値上げが進む中、1食あたりの安さが目立って
 きた。 防災意識の高まりも追い風で、過去5年間の販売金額の伸び率はカップ麺を上回る。 メーカ
 ー各社は家庭の少人数化に対応した商品の投入など、客層の拡大に力を入れ始めた。

 全国のスーパーなどの販売データを集めた日経POS(販売時
  点情報管理)
情報によると、2024年3月の「即席袋めん」
 の千人あたり販売金額は前年同月比18.1%増の8083円と
 なった。カップ麺(9.7%増)に比べても、袋麵の伸びが顕著だ。
 販売金額の伸び率は、19年4月から24年3月までの過去
 60カ月間の平均で前年同月比6.1%増となった。カップ麺
 (5.1%増)を1㌽上回り、長期的にも袋麵の販売額は拡大
 している。 一因はメーカー各社の値上げだ。袋麺全体の平
 均価格は3月に256.5円となり前年同月比8.9%伸びた。 袋
 麺は小麦粉や油脂などを原材料に含み、価格高騰の影響を大
 きく受けている。
 売れ筋ランキング1位のサンヨー食品「サッポロ一番 塩らー
 めん」は23年6月に希望小売価格を615円から680円
 に値上げした。日清食品も6月出荷分から袋麺を含む即席麵
 の価格を10~13%程度上げた。同社マーケティング部の
 ”白沢部長”は「食数だと(前年比)マイナスになった商品もあ
 る」と話す。
 ただ、値上げで消費全体が冷え込んでいるわけではない。 日経POSの24年3月の集計では、千人
  あたりの販売個数も前年同月比で8.5%伸びた。 他の食品や外食の値上げが進む中、1食あたりのコ
  ストパフォーマンスの高さが強みになっている。
 例えば、サッポロ一番の1食あたり金額は136円。 一般的なおにぎりより安く「生活防衛の意識が
  強まる中で、価格が安い商品が選択されている」(サンヨー食品)という。 平均200円以上のカップ
  麺と比べても袋麺の価格優位性は高い。 40代の主婦は「卵やネギなどを入れればきちんとした食
  事になる。子供の昼食にも便利だ」と話す。

 防災意識の高まりも追い風となっている。 袋麺は省スペースに加え、賞味期限が8カ月などカップ麺
  より長いのが一般的で、備蓄食料としての需要が根強い。 1月に発生した能登半島地震では、SN
  S上で冷水で袋麺を調理する方法が話題になった。 自宅に袋麺を備蓄する19歳の男子大学生は「
  お湯さえあればすぐできるので安心」と話す。
 ヒット商品の存在も大きい。 売れ筋第7位の農心「辛ラーメン」は千人あたり金額が13カ月連続で
  前年同月を超えた。 自由なアレンジで調理工程を楽しむ動画がSNS上で話題になり、若者を中心
  に引き続き人気となっている。
 各社が市場拡大に向けて力を入れているのが「買いやすさ」の追求だ。 日清食品は3月、3食パック
  の「日清ラ王」シリーズを発売した。 「400円を大幅に超えるとお客が手に取りずらくなる」た
  めで、3月の出荷数量は従来の5食パックの2倍程度となったという。
 販売する側の評判も良く、食品スーパーの東急ストアは「今後、売り込み強化を考えている」と小容量
  化を歓迎する。 サンヨー食品もサッポロ一番の減塩シリーズなどで3食パックを採用した。

 日本の誇る即席麵市場で、手軽さが売りのカップ麺の陰に隠れてきた袋麺。 他の食品と比べた安さや
  保存性という強みを生かし「袋」を破ろうとしている‥‥。

 蛇足:即席麵メーカーなどでつくる日本即席食品工業協会によると、2023年の即席袋麵の国内販売額は前年比7.8
     の1536億円だった。 メーカー各社は新商品の投入などでシェアの獲得を目指すが、売れ筋ランキングに名
     を連ねているのは、往年のロングセラー商品だ。
     24年を例にとると、上位のサッポロ一番やチャルメラはいずれも発売から50年以上が経過した古参商品。 
     3位のチキンラーメンは日清食品が1958年に発売した日本最古の即席麺。 日清は23年に「焼そば」や出前
      一丁を値上げしたが、販売数量は前年を上回る水準で推移しているという。 
     若年層を含め、多くの顧客には昔懐かしさを覚えるような「レトロ感」が刺さっているのかもしれない?