働き盛りの年代で発症する若年性認知症。 原因となる疾患や症状は高齢者の認知症と
変わらないが、進行が速い、発見が遅れがちといった問題点がある。 症状や対策を
的確に把握し、早期発見・治療につなげましょう。
認知症は、脳の神経細胞が損傷したり、働きが悪くなったりすることで認知機能が低
下し、日常生活に支障をきたした状態をいう。 高齢者に多い進行性の病気だが、
65歳未満で発症すると、若年性認知症と呼ばれる。 働き盛りで一家の生計を支
えている人が多く、家族への影響や経済的ダメージは計り知れない。
原因となる疾患は様々。
疾患別にアルツハイマー型
認知症、血管性認知症、前
頭側頭型認知症、レビー小
体型認知症などに分類され
るそうだ。
7月に東京都健康長寿医療
センター(東京・板橋)が公表
した調査結果によると、若
年性認知症の国内有病者数
は推計3万7800人。
最も多いのはアルツハイマ
ー型で52.6%、次いで
血管性17.1%だったそ
うだ。 血管性認知症が脳
卒中の後遺症であるのに対
し、アルツハイマー型認知
症がなぜ発症するかは解明
されていない。
しかし発症メカニズムとして有力な仮説がある。 「アミロイドβやタウという異常
なタンパク質が脳に沈着していくことで神経細胞が死んでいき、脳が徐々に萎縮す
る」。 こう解説するのはアルツクリニック東京(東京・千代田)の“新井院長”です。
「アルツハイマー型の若年性認知症は特に進行が速く、重症化しやすい」と警告して
いる。 アルツハイマー型の症状としてまず現れるのは物忘れ。 初期は新しい記
憶から薄れていく。 やがて言葉が出てこない、よく知っている道で迷う、着替え
ができない、計算ができない、家電製品の使い方がわからない、好きだった趣味に
興味がなくなるといった様々な症状が現れる。
若年性認知症の問題点は、異変があっても本人や周囲が認知症と思わず、発見が遅れ
がちなことだという。 筑波大学精神神経科の“新井教授”は「年齢からうつ病や更
年期障害と誤診されることもある。 おかしいと感じたら、専門医がいる物忘れ外
来や認知症疾患医療センターなどを受診してほしい」と話しています。
認知症の多くは今のところ根治できないが、早期発見・早期治療で進行を遅らせるこ
とはできるそうです。 主に薬を使う治療法は、原因疾患ごとに異なる。 どの疾
患によるものかを見極めることが重要なんだそうです。
新井院長は認知症の前段階である軽度認知障害や、さらにその前段階の主観的認知機
能低下という状態に注目してる 「アルツハイマー病を引き起こすアミロイドβの
脳への沈着は、症状が出る20年ほど前から始まっている」。 なるべく早い段階
でアミロイドβの沈着を調べて認知症のリスクを判定し、予防・治療に取り組めば
発症が大幅に遅れる可能性があるという。
新井教授によると「糖尿病、高血圧、脂質異常症はアルツハイマー病や脳卒中の発症
リスクを高める」。 特に糖尿尿になると、アルツハイマー病になる確率が倍増す
るという。 こうした生活習慣病の予防・改善は認知症予防にもつながる。 その
ためには、まず日ごろの生活習慣を見直し、バランスのよい食事、適度な運動、十
分な睡眠を心がけることが大事。
たとえ若年性認知症になっても「できるだけ社会的活動を続けてほしい。 人と交流
し、やりがいを持つことで、残っている脳の機能を長く維持できる」(新井院長)。
若年性認知症は「医療だけでなく、就労支援や介護する家族のサポートなど、包括的
なケアが必要」(新井教授)だ。 一人で悩まず、まずは専門機関に相談しましょう。
変わらないが、進行が速い、発見が遅れがちといった問題点がある。 症状や対策を
的確に把握し、早期発見・治療につなげましょう。
認知症は、脳の神経細胞が損傷したり、働きが悪くなったりすることで認知機能が低
下し、日常生活に支障をきたした状態をいう。 高齢者に多い進行性の病気だが、
65歳未満で発症すると、若年性認知症と呼ばれる。 働き盛りで一家の生計を支
えている人が多く、家族への影響や経済的ダメージは計り知れない。
原因となる疾患は様々。
疾患別にアルツハイマー型
認知症、血管性認知症、前
頭側頭型認知症、レビー小
体型認知症などに分類され
るそうだ。
7月に東京都健康長寿医療
センター(東京・板橋)が公表
した調査結果によると、若
年性認知症の国内有病者数
は推計3万7800人。
最も多いのはアルツハイマ
ー型で52.6%、次いで
血管性17.1%だったそ
うだ。 血管性認知症が脳
卒中の後遺症であるのに対
し、アルツハイマー型認知
症がなぜ発症するかは解明
されていない。
しかし発症メカニズムとして有力な仮説がある。 「アミロイドβやタウという異常
なタンパク質が脳に沈着していくことで神経細胞が死んでいき、脳が徐々に萎縮す
る」。 こう解説するのはアルツクリニック東京(東京・千代田)の“新井院長”です。
「アルツハイマー型の若年性認知症は特に進行が速く、重症化しやすい」と警告して
いる。 アルツハイマー型の症状としてまず現れるのは物忘れ。 初期は新しい記
憶から薄れていく。 やがて言葉が出てこない、よく知っている道で迷う、着替え
ができない、計算ができない、家電製品の使い方がわからない、好きだった趣味に
興味がなくなるといった様々な症状が現れる。
若年性認知症の問題点は、異変があっても本人や周囲が認知症と思わず、発見が遅れ
がちなことだという。 筑波大学精神神経科の“新井教授”は「年齢からうつ病や更
年期障害と誤診されることもある。 おかしいと感じたら、専門医がいる物忘れ外
来や認知症疾患医療センターなどを受診してほしい」と話しています。
認知症の多くは今のところ根治できないが、早期発見・早期治療で進行を遅らせるこ
とはできるそうです。 主に薬を使う治療法は、原因疾患ごとに異なる。 どの疾
患によるものかを見極めることが重要なんだそうです。
新井院長は認知症の前段階である軽度認知障害や、さらにその前段階の主観的認知機
能低下という状態に注目してる 「アルツハイマー病を引き起こすアミロイドβの
脳への沈着は、症状が出る20年ほど前から始まっている」。 なるべく早い段階
でアミロイドβの沈着を調べて認知症のリスクを判定し、予防・治療に取り組めば
発症が大幅に遅れる可能性があるという。
新井教授によると「糖尿病、高血圧、脂質異常症はアルツハイマー病や脳卒中の発症
リスクを高める」。 特に糖尿尿になると、アルツハイマー病になる確率が倍増す
るという。 こうした生活習慣病の予防・改善は認知症予防にもつながる。 その
ためには、まず日ごろの生活習慣を見直し、バランスのよい食事、適度な運動、十
分な睡眠を心がけることが大事。
たとえ若年性認知症になっても「できるだけ社会的活動を続けてほしい。 人と交流
し、やりがいを持つことで、残っている脳の機能を長く維持できる」(新井院長)。
若年性認知症は「医療だけでなく、就労支援や介護する家族のサポートなど、包括的
なケアが必要」(新井教授)だ。 一人で悩まず、まずは専門機関に相談しましょう。