農業じゆう人

     健康を第一に無農薬で
          安心・安全・新鮮な野菜作りに励んでいます!

不便を楽しむ

2020年07月30日 12時49分18秒 | 話題
  辞書を手に取り「不便」とひいてみる。 「その場にあればよいと思うものが容易には得られず、
  快適さに欠けること感じられること」。 マスクがない。 友人、親族に会えない。 旅行にも
   行けない‥‥。 欠けてばかりの日々だからこそ、不便の中に価値や効用を見いだしていきた
   い。 不便に価値? そんなのあるの? あります。 やってみます。

  「人間、額に汗して、油にまみれて、地道に暮らさなきゃいけねえ。  そこに早く気がつかな
   きゃいけねぇんだ」。 寅さんが『男はつらいよ 望郷編』で自省を込めて説いていた。 他
   者と距離を取り、長い時間を室内で過ごして食べては寝る。 そんな暮らしを強いられても、
   寅さんのいう「人間」らしさを取り戻せないのだろうか。

  『ごめんなさい。 もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れて
   みてはどうですか?』と いう長いけれど、だからこそ心に引っかかるタイトルの本を書いた
   工学博士の"川上さん"に相談するとにした。 京大と京都先端科学大の先生で、「不便益」、
   つまり不便だからこそ得られる効用を研究する。
 「外から不便を押しつけられている状況は、つらいですよね。 
 でも、主体性を持てば不便も楽しめます」。 川上さん設立の
 「不便益システム研究所」は、不便がもたらす八つの「益」を
 掲げる。 記事の冒頭、「不便」の意味を辞書でひくのも不便
 益の一つだ。 パソコンや電子辞書よりも時間がかかる分、別
 の言葉も目に入る。 「発見」の喜びがある。 さっそく未知
 の単語に出会った。 不磨。 「長い年月を経ても、その価値
 が全く損なわれないこと」とあるのを見て、眼前のパソコンを
 思う。 使用開始から5年、すっかり動きは鈍くなり、イライ
 ラの元凶になっている。
 「技術が進歩し、自動化が進むとブラックボックス化し、自分
 では工夫も修理もできなくなる」と川上博士は指摘する。
 家にいながら会議や飲み会がオンラインでできたり、生活に必
 要なあらゆる品をネットや宅配サービスで注文できたり。 不
 便を強いられる暮らしは、便利さへの依存を強める暮らしでも
 ある。 そこでもし、ネットがつながらなくなったら、電気が
                 途絶えたら‥‥。 既存のシステムに乗るのはたやすく効率的
                 だが、失われたときに多くの人はなすすべがない。

  自らを省みると、人は食べなくては生きられない動物なのに、他人任せきりだ。 
  退職直後に体を壊し、リハビリ中の散歩で畑を耕している農家のご夫婦にであった。
  しばし立ち話をしていたら、百姓は手間がかかり不便なことばかりだが、自分で工夫して育てた
   ものが実り、新鮮な状態のものが食べられるので・・それで満足するんだよと話してくれた。
  やる気があるなら空いている畑があるからやってみな!と・・。 それではと始めた家庭菜園。
   何せ未経験者。 道具もあるわけではなく、すべて手作業という不便な状態でスタート。 
  スコップを片手に汗をかきながら、土を掘りおこし耕す。  そして苗を植えつけ・種蒔き‥‥
   苗は根付くのか? 芽が出るのか? 毎朝のウォーキングと観察が楽しみになった。
   数カ月後には苗はみな根付き、種から芽を出しているのを見たときは感激しましたよ。
   そして今では年間約35~40種類の無農薬野菜が採取できるようになった。
   もちろん自己で育てたものなので「安心・安全・新鮮」が何よりになっています。
   
  現代社会は何もかもすべてのことが便利or利便性が優先になっていると思いませんか。
   生きることは手間ひまのかかることです。 プロセスをすっ飛ばさない地道な暮らしの中に、
    かみしめるような喜びや楽しみがたくさんあります。
  川上博士が「正解がわからないのがいい。 情報が足りないという不完全さが想像力をかき
   立て、印象を強めます」とおっしゃっているのは本当だと思います。 
   不便なことも含めいろいろやってみると分かることたくさんありますョ。 ホント・・。