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感染症の歴史

2020年04月13日 12時36分42秒 | 話題
  新型コロナウイルスによる肺炎が世界に広がり、各国とも対策に追われています。
  人類の歴史は感染症との闘いの歴史であり、衛生状態の向上やワクチン・治療薬の開発
   などを通じ、制圧に成功した感染症もある一方、未知の病原体による新興感染症の流
   行はいまも繰り返されている。
  古くから知られている感染症にペストがある。 東ローマ帝国などで流行の記録が残り
   14世紀には世界的な流行で1億人が死亡したとされ、「黒死病」と呼ばれて恐れら
   れてきた。 「悪性の空気」が感染源と考えられた時代があり、17世紀のイタリア
   では医師は全身をガウンで覆い、空気の浄化作用を期待して香辛料を詰めたくちばし
   状のマスクをして治療にあたったといわれています。

 1918~19年に世界で流行し、2千
 万~5千万人の死者を出したインフルエ
 ンザ「スペインかぜ」もよく知られてい
 る。 第1次世界大戦の最中で、米軍の
 兵士の間で流行が始まり、船で欧州に移
 動した結果、戦場で各国の軍隊へ広がっ
 たようだ。 インフルエンザの感染経路
 は主に、感染者が触れた物を通じた「接
 触感染」と、せきやくしゃみを通じた「
 飛沫感染」がある。 それはスペインか
 ぜの当時から知られていたそうです。
 日本の内務省衛生局が公表した「流行性
 感冒」には、「病人やせきをする人に近
 寄らない」「人ごみを避ける」「手ぬぐ
 いなどで鼻や口を覆う」といった、現在
 とほぼ同じ対策内容が盛り込まれていた。
 しかし、当時は医学的な対処には限りが
 あり、日本でも流行を食い止められず、
                       38万人の死者が出たそうだ。

  近年は様々な病原体の発見とワクチン開発が相次ぎ、感染症対策は急速に発展した。
  例えば、天然痘は、世界保健機関による撲滅計画が進み、1980年についには制圧
   に至ったそうだ。
  とはいえ、病原体が不明な感染症はいまもたびたび流行を繰り返しているという。
  2002年に香港を中心に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)やアフリカのエボラ
   出血熱などだ。 コロナウイルスを病原体とするSARSは、世界で8千人以上が
   感染、約800人が死亡した。 このとき話題になったのが、1人で極端に多くの
   人に感染させる「スーパースプレッダー」と呼ばれる事例。 専門誌に掲載された
   論文には、中国の病院で別の病気の治療目的で受診した男性が33人に感染させた
   事例などが紹介され、香港とシンガポールでは感染者の7割以上がスーパースプレ
   ッダーからの感染とみられている。 
  初期のスーパースプレッダーの事例に「腸チフスのメアリー」があります。 
   1900年代初頭に米ニューヨークで流行した腸チフスの感染源となった1人のア
   メリカ人です。 メアリーは症状の出ない不顕性感染者で、00~07年に1人で
   51人を感染させ、うち3人が死亡したそうだ。

  新型コロナウイルスは中国・武漢市(湖北省)の市場で野生動物から人に感染し、人か
   ら人に感染するに至ったとみられている。
  ウイルス学が専門で、感染症の歴史に詳しい"山内・東京大名誉教授"によると、人間
   の体内にいるウイルスはもともと動物から来ていて、歴史的にみれば、野生動物と
   の接触によって人に感染するウイルスは繰り返し出現してきた。 「今回はウイル
   スそのものより、人口が密集し、人やモノが国境を越えて地球規模で移動するグロ
   ーバル化がかつてなく進む中国で起きたことに特徴がある」と話している。

  感染症との闘いは、個人の人権保護と、社会全体を守る公衆衛生という二つの課題の
   ぶつかりあいの歴史でもある。 十分な医療手段がなかった時代に比べ、近年は衛
   生状態が向上し、医療設備も整備されていますが、人権意識の高まりもあり、先端
   技術を上手に活用したさらなる対策が求められそうです。