おなかの不調 どう付き合う

　検査しても異常が無いのに、腹痛を伴う下痢や便秘が続く過敏性腸
　　症候群（IBS)に悩む人が増えているという。　今や１０人に１人は罹患していると
　　の推計もあるが、はっきりとした理由は解明されていないそうだ。　外出が怖くて
　　引きこもったり、うつを併発したりするケースもあるんだそうです。
　　こういった根治の難しい症状とどう付き合えばよいのだろうか？

　　「電車が駅に着くたびに降りてトイレに寄らないと不安なんです」「会社のプレゼ
　　　ンの前には必ずお腹が痛くなります」。　東京・世田谷でＩＢＳの診察を手掛け
　　　る鳥居内科クリニックには１０～２０代の男性を中心にこんな患者が訪れる。
　　　"鳥居院長"は「慢性的に生活を脅かされるため悩む人が増えている」という。
　　ＩＢＳは排泄状態などから主に４種類に分類されるそうだ。　最も多いのが下痢型
　　　の症状だそうですが、便秘型や、便秘と下痢を交互に繰り返すタイプもあるそう
　　　です。　仕事や試験で強い緊張を感じた時や、睡眠不足や食事など特定の条件を
　　　満たした時に腸の運動が過剰になり発症するそうだ。

　　一般的な治療法は生活習慣の改善と投薬治療だ。　下痢止めや腸の動きを整える消
　　　化管機能調節薬などを処方する。　漢方薬や抗うつ薬などを組み合わせることも
　　　ある。　ただ治療で一時的に改善しても、薬をやめたり一定の条件を満たしたり
　　　すると再発してしまうことも多く、根治が難しい。
　　日本のＩＢＳ患者は推計で約８００万～１０００万人といわれているそうだ。
　　　ただ我慢して医師の診察を受けない人も多く、潜在的な患者はさらに多いとみら
　　　れている。　身近な人には恥ずかしくて相談できないも多いため、オンラインで
　　　アドバイスを受けたり、悩みを共有したりするサービスも出てきているという。
　　東北大学大学院医学系研究科は２０１８年、症状を入力するとＩＢＳの可能性を診
　　　断するアプリ「おなかナビ」をリリースした。　継続して記録すると発症しやす
　　　い時間帯や条件を把握できる。　"田中医師"は「おなかをよく壊す人もどんな時
　　　なのか覚えている人は少ない。アプリを使えば兆候に気づくかもしれない」と。
　　　１９年春にはウエアラブル端末と連動して体調を管理できる「おなか手帳」も開
　　　発した。　
　　医療ベンチャーのＧＣare（ジーケア、東京・千代田）の会員専用サイト「Ｇコミュニティ」
　　　は医師や米国管理栄養士、臨床心理士らが症状改善に向けたアドバイスをする。　
　　　患者は匿名で参加できる。　今は重い病気で直結しやすい炎症性腸疾患（ＩＢＤ）
　　　に悩む人に提供しているが、近くＩＢＳ患者向けにもサービスを始めるそうだ。
　　都内の病院で消化器内科医として働く"堀田共同代表"は「特に医療過疎地域に住ん
　　　でいる人たちに情報を届けていきたい」と話している。　１０月からは希望する　　
　　　人たちが集まる「オフ会」も始める予定だそうです。

　　食事の面でも研究が進んでいるそうだ。　米国で食事療法として注目されるのが「
　　　ＦＯＤＭＡＰ（フォドマップ）食」というもの。　ＩＢＳの引き金になりうる「発酵
　　　性の糖質」「オリゴ糖」などの単語の頭文字を取ったもので、これらを控えた食
　　　事のことだそうだ。　米国で臨床試験が進み、日本でも普及する可能性かある。
　　
　　「緊張するとおなかが痛くなる。自分は社会人に向いていない」。　ＩＢＳ患者に
　　　は自分を責める人も少なくない。　だがＩＢＳは睡眠不足など特定の身体条件や
　　　特定の食事をとった場合も発症のトリガーになる。　
　　　ジーケア共同代表の"宮崎氏"は「自分のトリガーが何かを特定し、除けるかが
　　　　重要だ」と指摘しています。　皆さんはいかがでしょうか・・。

　　蛇足：今世間では腸内環境改善 関心が高いという。
　　　大腸には１０００種類以上、１００兆個以上の細菌が存在するとされている。
　　　その様子は花畑に例えて「腸内フローラ」と呼ばれている。　善玉菌・悪玉菌、
　　　腸内環境次第でどちらにもなり得る日和見菌が存在し均衡を保っているそうだ。
　　　近年は腸内環境が健康に与える影響が指摘され「腸活」への関心が高いそうだ。
　なかでも健康への関心が高いのが３０～４０代の女性の
　ほか、食生活が乱れがちな２０代男性や５０代以上の男
　性にも焦点をあてる考え。　今や腸内環境が悪化してい
　る人は４人に１人に上るともされる。　過敏性腸症候群
　に悩む人はもちろん、現在は目立った症状がないという
　人でも、日ごろから食生活などに気をつけて健康な腸内
　環境を維持することが必要のようです。
　　皆さん日ごろから気をつけましょう・・！