農業じゆう人

     健康を第一に無農薬で
          安心・安全・新鮮な野菜作りに励んでいます!

失われる野菜の多様性

2016年11月18日 13時05分10秒 | 
  日ごろ皆さんが口にされている野菜。一見、なに不自由なく供給されていると思っていませんか?
    (今年は天候不順から野菜の高値が続いていますので多少は考えを変えていますでしょうかネ)
  しかし、地方ではたくさんの在来品種が姿を消していて、多様性は失われつつあるんだそうだ。
  品種改良で、消費者の嗜好に合い生産や流通の容易な品種が開発され、市場を席巻したため・・
  野菜農家は種を買い、そのほとんどは海外で作られるものだとわれています。 
   このようなままで良いものなのか? 我々消費者にできることはないものなんでしょうか?

  乾いたサヤを割ると、三浦大根の小さな種がこぼれ落ちた。9月中旬、埼玉県富士見市で農家の
   “関野さん”は黙々と種採りを続けている。種苗店に納める分で、畑には既に種まきを終えた。
   “家のように自家採取する農家は少数派ですョ!”と言っています。 私共もできるものはそうしています
   “農家でも、今や種は種苗会社から毎年買うのが普通のようになってきている”という
    私の知り合いの農家さんでもそのような傾向が多くなっていると聞きます。

     
   スーパーには、形のそろった野菜が並ぶ。これは品種改良のたまものだという
   例えば、味が良いトマトと病気に強いトマトを掛け合わせると、その子(雑種第1代=F1)には
   親の良い特徴が等しく受け継がれているといわれている。(メンデルの法則) (上の図の左)
   味が良く病気に強く、形のそろったトマトができ、雑種強勢により親より収量も見込めると
   だが、2代目では元の親の特徴はばらけて遺伝し、形も不ぞろいになってしまうそうだ。
   だから農家は種を採らず、翌年もF1の種を買うようになる。
   「マメ科などを除けば、今や大半の野菜がF1品種です」と、“藤田教授”は話しています。
     (“藤田さん”は恵泉女子学園大の教授でもあり、NHKの野菜の時間にも出演しています)

   狙った特徴を出すには、母株と父株を確実に交配することです。当初は、母株の花からおしべを
    摘んで自家受粉しないようにし、交配する株の花粉を手作業などでつけた。
   だが、これは大変な手間がかかる方法です。 より簡単な方法を探すうち、遺伝的におしべを
    欠いたり花粉が作れなくなったりした(雄性不稔)株が注目された。
   それを増やして母株とすれば、受粉作業は省力化できるます。
   雄性不稔は、母株を通じて遺伝する。 赤玉ネギで見つかった雄性不稔の性質を黄色い玉ネギに
    取り入れたければ、赤玉ネギを母株に、黄色いタマネギを何代も交配して、父株に近づける。
   「玉ネギなど花が小さい野菜では、雄性不稔なしにF1品種の実用化はなかった!」と思う、と
    京都産業大の“山岸教授”は話しています。 (上の図・真ん中)
     現在のF1品種の多くは、雄性不稔技術で作られているようです。

   F1品種は農家の生産性を上げ、均一な形は流通性を高めた。思えば現代の豊富な野菜供給は、
    F1技術が支えている。しかし、その拡大は地方品種を駆逐してしまったようだ!
   「80年に1214品種確認された地方品種は、2002年には556品種に減ったそうだ」
   地方品種は、長い年月をかけて風土に適応し、遺伝的に固定されたので「固定種」と呼ばれる。
   形が不ぞろいなので市場流通性は低いが、昔ながらの味わいが魅力です。 これごもっともです
    冒頭に出てきた“関野さん”は、固定種にこだわっている農家さんだそうです。
    (私の知り合いの農家さんも同じです。 我が家も苗などを分けていただいています)

   自家採種しない農家が一般化する中で、種の海外依存も進んでいるんだそうだ・・。
   大手の「サカタのタネ」では、野菜の種の9割が海外産なんだそうだ。 国内の主要な野菜は、
    元来は渡来品種だそうで、原産地で種を作ることは理にかなっている・・の?かな~・・ 
   とは言っても、食の安全保障の観点では、危うさもあるのではと思っているのが現実です。

   東京・新宿の百貨店「伊勢丹」の青果売り場には固定種野菜のみを集めた一角があります。
   元調理師の方がプロデュースし、70軒の農家さんから取り寄せた延べ約400品種を扱って
    いるんだそうです。地方に細々と残る固定種野菜の味に魅せられ、それを発掘して紹介・・。
    “流通に乗らない野菜は価値がないものと受け取られなねない現状が非常に問題”だと、
    また、“地域の宝である固定種野菜を守り、その味を伝えたい”と語っています。

   実は私も小さな家庭菜園でホンのチョッとだけですが固定種野菜を育てています
    最初は面倒で大変ですが、自家採種を繰り返していけば、その土に馴染み元気に育ちます。
    また、私共は一切農薬は使わず、自家製の堆肥を使い、露地もので育てています。
    手数は非常にかかりますが、できるものは「安心・安全・新鮮」なものばかりです。
   きょうも「タマネギ2種とスナップえんどう」の苗の植え付け、野菜の寒さ囲いなどをした
     
     スナップえんどう苗の植え付け          タマネギ苗の植え付け
     
    稲わらで寒さ除けしたスナップえんどう       寒さ除けのビニール囲い
      きょう植えた苗は自分の所でポットで育てた自家製の苗です