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日本のいちばん長い日

2015年08月18日 | 映画・DVD
終戦前夜の宮城事件を描いた作品。
出演している役者さんは文句の付けどころがない素晴らしい演技。
役所広司さんは言わずもがな、青年将校役の松坂桃李さんもなかなか。
山崎努さんの老練な芝居はさすがである。
本木雅弘さんは昭和天皇役としてはガタイが良すぎてどうかと思ったものの、始まってみるとそんな不安は吹っ飛んだ。
最後の方で戸田恵梨香さんが特別出演で出ていたけど、おまけみたいで得した気分。

2時間半という長い映画なので覚悟して観ていたら、あれっ、もう終わりなの?って感じだった。

終戦直前1945年4月に鈴木総理(山崎努)就任から始まる約四か月間の映画。
宮城事件(きゅうじょうじけん)や敗戦の経緯など、背景を知っていた方が映画を追いやすい。

こういう映画を観ると、戦争という史実を記憶にしっかり留めておかないといけないなと思う。

この映画は戦争映画にしては、戦場が一切出てこない。

観ていてハッと思ったのは、阿南陸軍大臣が鈴木総理に対してポツダム宣言の受諾をもう2,3日延ばしてもらえまいかと頼むシーン。
それに対して鈴木総理はそれはできないと、一日遅らせれば、北海道はソ連に奪われてしまう。だからソ連が日本に上陸する前に戦争を終結させておかなければならないと。

この言葉にソ連の悪行三昧をふつふつと思い出してしまった。
日本に原爆が投下され、日本の敗戦が不可避と分かるや否や、日ソ中立条約を一方的に破棄し、満州の日本軍を総攻撃。
ソ連からの宣戦布告は日本軍に伝わっていない中で150万もの大群で攻めてきた。
その後、捕虜は速やかに帰国させるべしというポツダム宣言の条約を無視し、終戦後、何年にも渡り捕虜をシベリヤに抑留して奴隷として重労働を課した。

北方四島から武力で住民を追い出し、戦勝国の戦利品として侵略。それは現在も平然と続いている。
たった一週間アメリカ軍に加担しただけで、日本から50万人の労働力と四島を奪った事に日本人はもっと怒りを持っていい。
それ以前に学校教育できちんと教えるべきだよな。

なんて事を映画を観ながら思うような映画でした。